1995 Fiscal Year Annual Research Report
大規模農業経営体の成立条件とマネジメント機能に関する実証的研究
Project/Area Number |
06451124
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
黒河 功 北海道大学, 農学部, 教授 (90125310)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 市夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70125384)
志賀 永一 北海道大学, 農学部, 助教授 (50235511)
|
Keywords | 大規模農業経営体 / 農地保有合理化事業 / 規模拡大 / 関連投資 / マネジメント機能 / 水稲共済 / リスクマネジメント / 危険分散 |
Research Abstract |
本研究の第2年次は、1.大規模経営体の成立のための農地拡大をめぐる諸問題、2.農業の特性である自然変動に対するリスクマネジメント機能、に主眼をおき、20ha以上の農家が多数形成している空知郡北村を対象に実態調査を行うとともに、同村を対象に平成5年度の大冷害の被害率の違いを考慮した実態調査を行った。 実態調査の結果から次の諸点が明らかになった。1.北海道の水田地帯においては北海道農業開発公社の農地保有合理化事業による規模拡大が主体である。2.農地保有合理化事業は農地流動化を円滑にしているが、地元町村での利子負担、農地価格下落下で引受農家の確保問題、事務量の増加などの問題点が存在している。3.農地の購入は急に発生しており、必ずしも計画的拡大となってはいない。4.農地の購入は、それが大地積購入となっているため農業機械・施設という関連投資を派生させている。5.関連投資に対する計画性に問題がみられる。6.長期的にみると水稲共済は水稲の収量変動(冷害)の危険分散に重要な役割を果たしている。7.収量の安定期には水稲共済の役割は低く、大冷害時での機能が大きくなっている。以上のように、大規模農業経営体が成立するためには、経営耕地に代表される規模拡大過程の計画性の保持が重要であること、しかしながら大規模農業経営体といえども投資の円滑性や資金回収、さらに危険分散などを吸収する機能は弱く、農地保有合理化事業や水稲共済といった支援施策が不可欠であることが明らかとなった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 東山 寛: "農地保有合理化事業の推進課題" 平成7年度科学研究費補助金(一般研究(B))研究成果報告書. 第2年次. 5-27 (1996)
-
[Publications] 志賀 永一: "規模拡大の実態と問題点" 平成7年度科学研究費補助金(一般研究(B))研究成果報告書. 第2年次. 28-49 (1996)
-
[Publications] 本郷 徹: "水稲被害に対する農家の対応と水稲共済" 平成7年度科学研究費補助金(一般研究(B))研究成果報告書. 第2年次. 50-84 (1996)