1994 Fiscal Year Annual Research Report
輸入自由化の下での中山間地域活性化と環境資源保全に関する研究
Project/Area Number |
06451125
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加賀爪 優 京都大学, 農学部, 教授 (20101248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 章 京都大学, 農学部, 助手 (80240331)
小田 滋晃 京都大学, 農学部, 助教授 (70169308)
武部 隆 京都大学, 農学部, 助教授 (30093264)
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Keywords | 輸入自由化 / 中山間地域 / 環境資源保全 |
Research Abstract |
平成6年度は、これまで行ってきた「新政策研究会」に基づいて研究調査対象地域の選定と本研究に最適な方法論について基礎的検討を行い、調査対象地域のデータ収集および地域農林業の持つ公共財的価値(環境への影響)の評価手法について検討した。 市場開放が地域農林業に及ぼす影響とそれを考慮した地域振興施策、さらにそれの環境資源問題へのフィードバック過程を統合したモデルの検討を行った。また北海道など既に同様な手法でなされた研究例と比較検討することにより地域の特殊性を考慮した分析を行った。 加賀爪は香川県を事例として、自由化の影響に加えて瀬戸大橋、明石大橋、四国高速自動車道の開通などの交通事情の変化の影響とそれに伴う環境資源問題について調査・検討し、武部は地域農業の担い手の観点から、農業法人、農地流動化の問題に接近した。また小田と吉野は自由化に絡む流通合理化、産地間競争や高度情報化の課題について調査・検討した。 これらの検討の結果、香川県においては、農協合併による京販出荷体制の強化、ブランド化が進められており、柑橘部門ではある程度の成果を上げていることがわかった。また担い手・後継者問題については集落営農の優良事例が幾つか生まれており、地域資源の保全と活性化のためには高度情報化による営農指導の普及や農地流動化、機械銀行制度の充実により自由化に対処する必要があることを実証した。また水資源対策として香川用水の建設以後、従来の溜め池が次々と公園に転用されてきたが、灌漑用水と住宅用水の競合の深刻化の観点から既存の溜め池を有効に保全する必要があることを指摘した。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 加賀爪 優: "世界の食糧・環境問題とガット" 農業と経済. 1994年 臨時増刊号. (1994)
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[Publications] 加賀爪 優: "農業経済-ガット合意後の貿易自由化対応に向けて-" 経済セミナー. 第473号. 26-30 (1994)
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[Publications] 加賀爪 優: "円高進行下の農産物内外価格差と価格破壊の功罪" 月刊JA. 第41巻第2号. 52-55 (1994)
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[Publications] 加賀爪 優: "アジア太平洋地域における食糧貿易と環境資源政策" 東亜. 332号. 79-95 (1995)
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[Publications] 武部 隆: "土地利用型農業における望ましい担い手政策展開の方向" 農業計算学研究. 第27号. 60-75 (1994)
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[Publications] 小田 滋晃: "卸売市場経営のシミュレーション分析" 農業計算学研究. 第26号. 87-98 (1994)
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[Publications] 小田 滋晃: "卸売市場経営のシミュレーション分析" 農業計算学研究. 第26号. 87-98 (1994)75-95:
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[Publications] 加賀爪 優: "食糧資源輸出と経済発展" 大明堂, 233 (1993)
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[Publications] W.A.Kerr,K.K.Kleim,J.E.Hobbs,Masaru KAGATSUME: "Marketing Beef in Japan" The Haworth Press, 201 (1994)