1996 Fiscal Year Annual Research Report
視線運動分析に基づく字幕・映像付音声教材利用の効果的英語聴解訓練システムの開発
Project/Area Number |
06451149
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
鈴木 広子 神奈川大学, 外国学部, 助教授 (50191789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保崎 則雄 神奈川大学, 外国語学部, 助教授 (70221562)
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Keywords | 字幕つき映像 / 視線運動分析 / 英語聴解 / メディアリテラシー / 認知 |
Research Abstract |
今年度は、前年度行った実験を踏まえて、字幕の大きさ(小24、中32、大40ポイント)、シーンの長さを長くしたもの、日本語字幕との対比、全部の字幕vs.キーワードの字幕、それから上級者をも対象として、データ収集を行った。現在すべてのデータ処理を行っていないので、以下現在までに得られた知見について簡単に述べる。 まず、字幕の大きさというのは、初級者の場合、一番大きな字幕以外は、あまり気付くことがなく、それゆえに読みにくかったという反応は、返ってこなかった。流石に40ポイントともなると約40%の者が、字幕が大きいと感じた、という感想を事後面談で述べていた。字幕の大きさが読みやすさに影響を及ぼすのではないかとの当初の予測は、はずれ、むしろ大文字と小文字がきちんと整理されているほうが読み易いといういことになるのかもしれない。 また、キーワードでの提示については、初級学習者は、一般に全部の字幕が提示されたほうがわかりやすい、と述べていたのが特徴であった。ただし、すべてが提示されてもすべてが読めて、わかるというのではないが、というコメントも合わせて残していた。これは、つまり、初級者にとって音声英語と100%一致する字幕の方が、聞いた英語をそのまま追って行けば(読み取って行けば)いいので楽であり、要約したり、省いたりという作業(情報処理)を限られた短い時間内に行うほうが、却って大変であるということであろう。 96年の日本教育工学会での報告では、本年度までのまとめとして逆字幕(日本語音声、英語字幕)の内容理解の効果、二重字幕(音声、字幕がともに英語)の事前練習効果を視聴前に行うことの意義を報告した。また、97年3月のTESOL世界大会では、知見の一部(上級者と初級者の練習効果を中心に)を報告することになっている。
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[Publications] 鈴木広子: "映像教材の視聴過程から見た英語字幕の効果-アイマークレコーダによる視線運動分析から" 神奈川大学言語研究. 19号. (1997)
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[Publications] 鈴木広子・保崎則雄: "字幕付映像の理解を高める提示方法についての一考察" Language Laboratory. 34号. (1997)
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[Publications] 保崎則雄: "字幕つき映像の視聴過程を知るために視線運動を分析することの意義" 神奈川大学心理教育論集. 15号. (1997)