1995 Fiscal Year Annual Research Report
障害児・者の情報ネットワーク・アクセシビリティの改善に関する実践的研究
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06451150
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Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
松本 廣 国立特殊教育総合研究所, 教育工学研究部, 室長 (60229565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 泰志 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 研究員 (60207850)
柴田 望洋 福岡工業大学, 情報工学部, 助教授 (80222032)
小孫 康平 国立特殊教育総合研究所, 教育工学研究部, 主任研究官 (60260022)
柴山 盛生 国立特殊教育総合研究所, 総合企画調整官 (70170909)
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Keywords | 情報ネットワーク / アクセシビリティ / 障害児・者 / 特殊教育 / 情報機器 |
Research Abstract |
当研究所は平成7年度12月からインターネットが利用できるようになった。そこで、運動障害がある生徒のインターネット利用のアクセシビリティを検討した。これまで、運動機能(特に上肢)の障害の状態に応じて、標準キーボードやマウスの機能を代替するまざまな入力装置(インプット・エミュレータ)が工夫され利用されていきた。インターネットの利用においても、上肢に障害がある児童生徒の多くがこれらの代替入力装置を利用できた。本研究では、シリアルキー(Serialkeys)に対応したマウスエミュレータを試作した。シリアルキーは、米国のTrace Research and Development Centerが障害者用の入力機器をコンピュータ等の情報機器に接続する標準の規格GIDEI(General Input Device Emulating Interface)を実用化した機能の名称であり、我が国ではWindows95が利用可能になって初めてサポートされた機能である。このマウス・エミュレータは、シリアルキー仕様を採用したことによりコンピュータの機種に限定されず利用できる特徴がある。しかし、今回試作したマウス・エミュレータはタイミングを伴ったスイッチのON/OFFによるポインティング操作を必要とした。このため、不随意運動が強い児童生徒にはこのタイプのマウス・エミュレータの利用は困難をともなった。 そこで、不随意運動が強い児童生徒には、「スイッチ操作によりマウスカ-ソルがクリックポイントを移動する」タイプのマウス・エミュレータを試作する必要があろう。このタイプのマウス・エミュレータは、ポインティング操作を伴わずにWWWなどGUI環境をが利用できる利点がある。しかし、あらかじめ使用するGUIアプリケーションのクリックポイントの位置や数を固定して置く必要がある。すなわち、不随意運動が強い児童生徒がインターネットを利用するときには、WWWのページ(画面)が変わっても、クリックポイントの位置や数が約束(固定)されていれば、インターネットを利用するアクセシビリティは格段に向上するであろう。これは、今後の課題として残されている。
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Research Products
(2 results)