1994 Fiscal Year Annual Research Report
実験値としての内部音速分布に基づく太陽内部構造の決定と太陽ニュートリノ問題の吟味
Project/Area Number |
06452018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴橋 博資 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (30126081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 直樹 東京大学, 大学院理学系研究科, 日本学術振興会特別研
尾崎 洋二 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (30011547)
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Keywords | 太陽内部構造 / 太陽振動 / 日震学 |
Research Abstract |
太陽観測衛星“ようこう"の可視光画像データの解析を行なった。解析の目的は太陽内部の重力波モードの検出である。重力波は太陽中心部で振動するモードで、検出されたならば、それを使って太陽中心部の構造をニュートリノ以外の手段で、太陽中心部を高精度で測定できるという画期的なものである。しかしながら、このモードの太陽表面での振幅はとても小さいことが予想されており、地上観測では検出が困難と思われてきた。そのため、検出の報告があるものの、その真実性が疑問視されてきた衛星観測では地球大気の影響を受けないため、太陽光度の微小な変化も取らえられることが期待された。圧縮データの復元、露出補正などの各種前処理を行なった画像データについて時系列解析を行なった。(1)各ピクセル光度の太陽面での積分を行ない1年分の光度曲線を求めた。その結果、可視フィルターの紫外線による劣化が予想以上に大きく、感度は4カ月程の時定数で減衰していた。(2)そのため、指数関数的な感度の劣化を仮定し感度補正を行なった。得られた時系列のパワースペクトルから、20.6、18.4時間にピークが見られた。しかし、観測におけるサンプリング間隔が一定でないため、これらのピークがサンプリングの影響である可能性も否定できない。現在、その影響の程を調べるため解析を進めている。 それとは独立に、音波モードの解析から太陽内部の音速構造を求め、それを精度良い測定事実として、他の精度良い測定事実(太陽質量、太陽半径)と共に対等に取り扱い、静水圧平衡を満たすように、太陽内部の密度、圧力構造を決定する事を試みている。注意に値する事は、こうして得る太陽内部の密度圧力構造は、測定事実と殆ど疑う余地の無い仮定のみを用いて決定される事である。実験事実に忠実なモデルが作成できるという事である。これによると、中心密度は、約130g/cm^3となって、標準太陽モデルより、小さい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takata.M.& Shibahashi,H.: "Selection Rules for Perturbation to Eigenfunctions of Pulsations of Stars due to Rotation and Magnetic Fielul" Rubl.Astron.Soc.Japan. 46. 301-314 (1994)
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[Publications] Jefferies,S.M.,etal.: "Use of Acoustic Wave Travel Time Measuremeuts to Prebe the Neer-surfcce Layers of the Sun" Astrophys.J.434. 795-800 (1994)
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[Publications] Shibahashi,H.: "What'S New in the Theory of Stellar Nonrodial Oscillations" Helio-and Asteraseismology from the Earth ad Space:GONG‘94. (1995)
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[Publications] Nishizawa,Y.& Shibahashi,M.: "Inversion of the Solar Oseillation Freguencies:Cut -off Frequency of the Outor Reflocting Region" Helio-and Asteroseismolegy from the Earth ad Space:GONG‘94. (1995)
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[Publications] Nishizawa,Y.& Shibahashi,H: "Implicetion of Long-term frequency Varietion" Helio-ad Astereseismology from the Earth ad Space:GONG‘94. (1995)
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[Publications] Takata,M.& Shibahashi,M.: "Effects of Quadrnpole Component of Magnetic Fields on Rapid Osallations of Ap.stars" Publ.Astron.Soc.Japan. (1995)