1995 Fiscal Year Annual Research Report
大型(並列)計算機を用いたクォーク閉じ込め機構の研究
Project/Area Number |
06452028
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鈴木 恒雄 金沢大学, 理学部, 教授 (60019502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 克己 七尾短期大学, 教授 (10209603)
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Keywords | QCD / モノポール / クオークの閉じ込め / モンテ・カルロシミュレーション |
Research Abstract |
研究計画に沿って、大型(並列)計算機を用いたモンテ・カルロ・シミュレーションでQCDにおけるクォーク閉じ込めの機構の研究を進めてきた。我々は、アーベリアン射影をすると生じる磁極子(モノポール)が凝縮をおこしてカラー荷電粒子(クォーク、グルオン)を閉じ込めるという考えで研究している。今年度の実績は以下のようである。1。最大可換ゲージでアーベリアン射影を行ったとき、可換ゲージ場のみで閉じ込めの本質が記述できることがわかったていたが、更に可換ゲージ場の寄与は、モノポールと光子の寄与に分離でき、ハドロンの質量やカイラル対称性の自発的破れもモノポールのみで再現されることがわかった。2。これまで、SU(2)QCDで、で、デュアル変換された世界でのモノポール作用が知られていたが、SU(3)QCDでももとまることがわかった。もとまった作用は両者でよくにており、デュアルな世界での繰り込み群変換も可能である事がわかった。3。有限温度系での相転移でのオーダーパラメーターとなっているポリアコフループの振る舞いを閉じ込め、非閉じ込め両相でのモノポールの存在様式の違いからきれいに理解できる事がわかった。4。弦定数を測定する事で、最大可換ゲージのみならずポリアコフゲージでもモノポールの寄与が閉じ込め-非閉じ込め相転移に本質的なことがわかった。このことは、モノポール凝縮による閉じ込め機構がゲージのとり方によらない可能性を示しており、たいへん重要な発見である。5。閉じ込めのオーダーパラメーターを構成する試み、有限格子上で定式化をおこない、またシミュレーションで測定して、両相で顕著な変化をしている事がわかった。 これらの結果は最後の仕事を除いて国際会議「格子95」で報告され、また論文として発表された。
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[Publications] T.Suzuki: "Polyakou loops and monopoles in QCD" Physics Letters. B347. 375-380 (1995)
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[Publications] S.Kitahara: "Deconfinement transition and monopokes in T【double plus】OSu(2) " Prog.Theor.Phys.93. 1-17 (1995)
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[Publications] H.Shiba: "Moupole Oction and Condensation in SO(2)QCD" Physics Letters. B351. 519-527 (1995)
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[Publications] S.Ejiri: "String tension and mouopoles in T≠O SO(2)QCD" Nucl.Phys.B(Proc.Suppl.). 42. 481-483 (1995)
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[Publications] T.Suzuki: "Mouopoles and guark confinement" Prog.Theor.Phys.Suppl.120. 7-23 (1995)
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[Publications] T.Suzuki: "Mouopoles and hadron spectrum in guenched QCD" Nucl.Phys.BCProc.Suppl.). (1996)