1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岸本 忠史 大阪大学, 理学部, 教授 (90134808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味村 周平 大阪大学, 理学部, 助手 (10273575)
中野 貴志 大阪大学, 理学部, 助手 (80212091)
大隅 秀晃 大阪大学, 理学部, 助手 (70176882)
江尻 宏泰 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (80013374)
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Keywords | ダ-クマタ- / 二重ベータ崩壊 / ニュートリノ |
Research Abstract |
本研究の目的は暗黒物質(Dark Matter)とニュートリノ質量についてCaF_2結晶を用い、(1)^<19>FとDark Matterとの散乱(2)^<48>Caの二重ベータ崩壊を観測し、世界の水準を上回る領域を研究することにある。CaF_2結晶とActive及びPasssiveシールドからなる検出器系は回路、データ収集系を含めてほぼ完成した。途中で震災に見舞われ、甚大な被害を受けたが、幸い4カ月程度で復旧でき、研究計画には大きな支障はなかった。 本検出器は地上で海外での地下実験とほぼ同じ水準の低バックグランドが達成できた。今後の地下実験(一般的に1〜2桁の向上が望める)に非常に期待が持てる。この結果は国際会議“Weak and Electromagnetic Interaction in Nuclei"WEIN′95で発表された。今回の研究で明らかになったことを以下にまとめる。 (1)Dark Matterの観測に不可欠なCaF_2(Eu)の低エネルギー領域(数keV)での1光子・エネルギー比、分解能、検出効率等のを調べ、〜3keV(結晶として現状で世界一)まで測定可能とした。 (2)CaF2(Eu)とpure CaF_2のライトガイドと組合せた初の全方向シールドされた検出器である。 (3)検出器に含まれる微量α emitterについてエネルギースペクトルと時間特性を調べ、主要なバックグランドの除去方法を明確にした。α粒子に対する結晶の核反跳に対する応答が明らかになった。 (4)奈良県吉野郡大塔村の天辻トンネルのバックグランドレベルが神岡と同等以上に優れていることを明らかにし、ここで実験を行なうための準備をおこなった。 (5)中性子散乱を用いて検出器の較正を行なった。
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