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1995 Fiscal Year Annual Research Report

核分裂における原子核の変形経路の解明

Research Project

Project/Area Number 06452034
Research InstitutionTokyo Metropolitan University

Principal Investigator

中原 弘道  東京都立大学, 理学部, 教授 (00027137)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 永目 諭一郎  日本原子力研究所, アイソトープ部, 副主任
末木 啓介  東京都立大学, 理学部, 助手 (90187609)
Keywords核分裂 / 原子核の変形過程 / 対称核分裂 / 非対称核分裂 / ^<232>陽子核分裂
Research Abstract

原子核分裂における複雑な変形経路の存在を実験的に証明するために、分裂片の運動エネルギーと質量分割、さらにそれらの入射粒子エネルギー依存性の関係を調べた。実験としては、昨年度に完成させた真空槽とそれに取り付けた一対の飛行時間測定装置を用いて、一対の分裂生成物の速度を同時測定した。飛行時間測定装置の時間の較正は、^<127>I重イオンビームとその弾性散乱エネルギーを用いて正確に行った。時間測定回路の時間分解能は約700psであった。その結果、運動エネルギー(TKE)の誤差は2.5MeVとなった。核分裂反応の系としては、(陽子+^<232>Th)を選んだ。各質量分割m_2/m_1に対してTKE分布を求めたが、分裂片の質量数A=125-135に相当する質量分割ではTKE分布に二成分あることが観測された。この二成分をガウス近似で解析すると、高いTKEと低いTKEとのエネルギー差は平均で15MeVであった。また、二成分の強度比(面積比)を用いて、観測された質量収率曲線のうちA=125-135の部分を各成分に分けた。同様な実験を陽子エネルギーを13.0、14.2、15.7MeVと変えて行った。その結果、A=125-135部分の二成分に分けられた質量収率曲線のうち、低いTKEに相当する収率はA=116-122部分の収率と同様な入射粒子エネルギー依存性を示すが、高いTKEの収率はA>140と同じ入射粒子エネルギー依存性を示すことが分かった。この実験から、原子核分裂における変形経路には、(1)低い反応しきい値で核分裂変形を開始するが、早くくびれて非対称に質量が分割される過程と(2)高いしきい値で核分裂変形を開始して、長く伸びてから対称に質量が分割される過程とが存在することが証明された。この成果は、Physical Review Letterに投稿中である。次年度には同様な実験を^<238>Uを用いて行う。

URL: 

Published: 1997-02-26   Modified: 2016-04-21  

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