1995 Fiscal Year Annual Research Report
チベットにおける300GeV宇宙ガンマ線バースト探索のための準備研究
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06452036
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
坂田 通徳 甲南大学, 理学部, 教授 (60068111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶野 文義 甲南大学, 理学部, 助教授 (50204392)
山本 嘉昭 甲南大学, 理学部, 教授 (70068112)
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Keywords | ガンマ線天文学 / 宇宙線 / ガンマ線バースト / 空気シャワー / 水チェレンコフ検出器 / 高エネルギー宇宙物理 |
Research Abstract |
(1)小型空気シャワーの観測テスト 乗鞍岳宇宙線観測所(海抜2800m)にて約1カ月間空気シャワーデータをとることができた。実験は醸造用水タンク3基(各々直径2.1m、深さ2m)の内に20cmφ型の光電子増倍管(PMT)を合計8個(内2個は集光鏡付きとした)を設置して、シンチレーション検出器16台(受感面積8m^2)との連動により実施した。昨年度見られた水中沈殿物の問題は解決した。3基の水タンクに対し0.7光電子相当以上の信号同期というトリガー条件下にて空気シャワー約1,500万例を得た。PMTの慎重な較正等により良質のデータを得ることに成功した。データ解析の結果、3基の水タンク各々につき1光電子から約300光電子までのチェレンコフ光スペクトルが得られた。このスペクトルを与える宇宙線のエネルギーバンドを判定するためのシミュレーションを現在行っている。 (2)羊八井高度での水プールPMTアレイのシミュレーション 4300m高度での空気シャワーのシミュレーションを行った。水プール装置は50m×50m、水深1.5m、20cmφ型PMT17×17個を3m間隔の格子点に並べたものとした。この結果、トリガー条件として(a): 6個以上のPMTに5ヶ以上の光電子を課した場合、最頻の陽子空気シャワーエネルギーは30〜50GeV(角度分解能3°)、条件を(b): 10個以上のPMTにすると、おなじく200〜300GeV(同1.5°)となることが判った。GRB由来のγ線空気シャワーに対しては、例えばGRB930131のスペクトルが300GeVまで伸び、それ以上では完全にカットされている場合でも10〜15σ/sec(条件(a)、(b)のもとで)のシグナルが得られることが判った。一方、カニ星雲に対しては、1年間(1日当り4時間)の観測で7σ(条件は同じ)の信号が得られることが明らかになった。
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[Publications] F. Kajino, T. Nakanishi, M. Sakata, Y. Yamamoto et al.: "A Water Cerenkov Detector at High Altitude for High Energy Gamma-Ray Astronomy" Proceedings of the First International Symposium on Cosmic Ray Physics in Tibet. 316-319 (1994)
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[Publications] F. Kajino, M. Komeno, T. Nakanishi et al.: "Feasibility Study of Water Cerenkov Detector at Mt. Norikura" Proc. 24th International Cosmic Ray Conference. 3. 520-523 (1995)
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[Publications] F. Kajino, T. Nakanishi, M. Sakata, Y. Yamamoto et al.: "Water Cerenkov Detector for a Detectin of Gamma-Ray Bursts at High Altitude" Proc. 24th International Cosmic Ray Conference. 3. 524-527 (1995)