1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452038
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
栃原 浩 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教授 (80080472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 隆明 山梨大学, 教育学部, 教授 (20111776)
水野 清義 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (60229705)
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Keywords | 低速電子回折 / 表面構造決定 / 表面合金 / アルカリ金属原子 |
Research Abstract |
我々はこれまでに、室温でCu(001)の上にリチウムを付けていくと(2×1)構造の次に(3×3)が出現し、さらに付けると(4×4)構造に変わることを見出している。本年度の目標は、テンソルLEED法を用いてCu(001)上のリチウム吸着によって生成した(3×3)構造の表面構造の決定を行うことである。そのためにはまず実験として、(3×3)構造の各スポットの強度測定を本年度購入した背面観察型LEED光学系を現在使用中の超高真空装置に装着しておこなった。背面型を採用したことにより、電子銃やサンプルホルダーが障害物になって垂直方向に近いスポットの強度を測定できなくなることがなくなった。また計算の面では、テンソルLEED法のプログラム整備をすすめ強度計算が行えるようになったので、実験と比較することが可能になった。 (3×3)構造のモデルを23個考え計算し実験と比べた結果、ペンドリーの信頼度係数が0.20という最小値をもつ構造が見出された。この構造では、1個のリチウム原子を乗せた4個の銅原子(Cu quartet)が(3×3)単位格子の四隅に位置している。この構造要素をCu quartet plus one Li adatomと呼ぶ。これらのCu quartetを結びつける役割を果たしているのが、2個のリチウム原子(2次元の溝の中の)である。これらが(3×3)構造を構成する要素であり2原子層からなっており、その化学量論はCu_4Li_5と表すことができる。これらの結果は、アメリカ物理学会誌(Physical Review)にすでに出版された。 今後は、(3×3)構造の上にさらにリチウムを室温で付けると形成する(4×4)構造の構造決定をおこなう予定である。そのための準備は本年度に完了した。
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[Publications] S.Mizuno: "Complex surface alloy formed by Li adsorptien on Cu(001),determined by dynamical low-energy electron diffraction" Physical Review B. 51. 1969-1972 (1995)
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[Publications] S.Mizuno: "Honecomb stvucture of a datoins surrounding substituted atoms:Cu(III)-(2×2)-3Li" Physical Review B. 51(印刷中)(3月号). (1995)