1995 Fiscal Year Annual Research Report
オージェ・光電子同時計数法による固体中内殻励起状態の緩和機構の研究
Project/Area Number |
06452042
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
奥沢 誠 群馬大学, 教育学部, 助教授 (50112537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 章二 東北大学, 理学部, 助教授 (10091703)
菅原 英直 群馬大学, 教育学部, 教授 (30023724)
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Keywords | オージェ電子分光 / 光電子分光 / 同時計数法 / 内殻電子 / 励起状態 / 緩和過程 |
Research Abstract |
本研究は、固体のオージェ・光電子同時計数法を確立し、これを用いて固体の内殻励起状態の緩和過程等の解明に寄与することを目的として始められた。本実験では、軟X線照射により試料から放出されるオージェ電子及び光電子のエネルギーを分析すると同時に、これらの同時計数を行う必要がある。本年度は三年計画の二年目の年度に当たり、本年度の主要な計画は初年度に製作した装置の全体的な組立調整と既設の実験室光源による予備実験を行うことであった。同時計数を行うためには、2台の電子エネルギー分析器がそれぞれ見込む微小な(〜1mm^2)試料上の位置と光源であるX線管が照射する試料上の位置が相互に重なり合うことが必要である。この調整は極めて困難であり、期待されるほどの同時計数率は得られていない。現在この原因の追求と装置の一部改良を行っている。この原因の最大なものは試料付近の磁場の影響特にX線管からの漏洩磁場の存在と考えられ、現在これを除去するために装置全体を高透磁率のμメタル板を用いて地磁気で遮蔽した上で更にX線管を覆うμメタルの筒を設計製作中である。更に、位置の調整をたやすくするために電子レンズを各分析器の入射側に配置すべく、これの設計を進めている。総じて予期しない困難のため計画は遅れていると言わざるを得ない。この作業と平行して、同時計数測定制御用ソフトウェアの改良も進めている。平成8年度は本年度から継続して行う全体の調整を早急に終了し、3d電子系を対象とし内殻光電子スペクトル線のサテライトの成因についての知見を得たい。
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