1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452044
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塚田 捷 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90011650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 功佳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80221969)
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Keywords | 表面・界面 / 原子マニピュレーション / リカ-ジョン・伝達行列法 / 電子状態 / マイクロコンタクト / アルカリ原子系 |
Research Abstract |
昨年度に引続き、強電界・強電流の条件下にある表面界面の電子状態を非経験的に計算する方法である第一原理リカ-ジョン・伝達行列法の開発と応用計算を行った。本年度はアルカリ原子以外の系として、シリコンとアルミニュームを選び表面のマイクロコンタクトの問題を検討し、探針直下での原子尺度のバリア・電流分布・電子分布などの様相を研究した。またアリカリ原子系としては、表面間に介在したNa原子が、距離に応じてどのような力を受けるかについて解析し、探針による原子マニピュレーションの機構を探った。計算法やプログラムの開発については、種々の原子についてコーエン型擬ポテンシアルを使用できるようなプログラム開発を行い、またベクトルパラレル計算機による大規模計算を可能とするようなプログラムの並列処理化を考案した。現実系へ応用した計算では、以下のことが明らかになった。二つのSi(111)表面を接近させるときあるボンド長よりやや長い臨界距離で、表面間の力が最大になる。このときの力分布、その距離依存性からへき開機構についての重要な手がかりが得られる。アルミニューム探針とSi表面系の場合、距離の接近とともにトンネル障壁に局所的な穴があき、そこから弾道的に電子が流れる様子が確認された。面方向に平均したバリアー高は空隙間隔とともに減少するが、簡単な矩形バリアモデルと対応させる実効的な仕事関数は、観測値に近いものとなる。Na電極間のNa原子の働く力は、正電極付近ではイオン化蒸発に近い機構で大きな反発力となるが、負電極近くでは負イオン化は起こらず表面からの反発力はごく弱い。この性質の違いについて検討した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] K.Hirose and M.Tsukada: "First-Principles Calculation of Electronic Structure for Bi-Electrode Junction System Under Strong Field and Current" Phys.Rev.B. 51. 5278-5290 (1995)
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[Publications] N.Kobayashi, K.Hirose and M.Tsukada: "First-Principles Study of Na Atom Transfer Induced by the Tip of STM" Surface Sci.(発表予定).
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[Publications] N.Kobayashi, K.Hirose and M.Tsukada: "Jheoretical Study of Current and Barrier Height between Al tip and Si Surface in the STM" Jpn.J.Appl.Phys.(発表予定).
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[Publications] M.Tsukada, N.Kobayashi and K.Hirose: "First-Principles Calculation of Electronic States under Finite Field and Current and Its Application to Atom Manipulation" in "Computational Physics as a New Frontier in Condensed Matter Reserch"(物理学会刊). 34-41 (1995)
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[Publications] M.Tsukada: "Jheory of Scanning Tunneling Microscopy-What does it look?" Opto electronics-Device and Technologies. 10. 183-192 (1995)
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[Publications] E.Tsuchida and M.Tsukada: "Electronic Structure Calculation based on Finite Element Method" Phys.Rev.B. 52. 5573-5578 (1995)
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[Publications] 塚田捷: "表面における理論I" 丸善出版, 211 (1995)
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[Publications] 塚田捷: "表面における理論II" 丸善出版, 246 (1995)