1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452048
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上江洲 由晃 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10063744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 安定 早稲田大学, 理工学研究科, 客員教授
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Keywords | 強誘電分域 / 相転移 / 非線形光学 / 水素結合 / 中性子散乱 / SHG顕微鏡 / BaTiO_3 / KH_2PO_4 |
Research Abstract |
1.非線形光学顕微鏡の試作とその応用 物質が発生する光第2高調波(SHG)を集光し、それによって2次元画像を構築する新しいタイプの顕微鏡を試作した。この顕微鏡は、従来の光学顕微鏡が屈折率あるいは吸収といった2階のテンソル量を利用しているのに対し、SHG定数という3階テンソルを用いるため、対称性に関してより多くの情報を得ることが出来る。またSH波の位相の重ね合わせを巧みに利用することにより、たとえば強誘電体の180度分域構造の観察といった、従来の光学顕微鏡では不可能な観察を可能にする。この顕微鏡を用いて、まずBaTiO3の90度強誘電分域の観察を行い、3種類の分域の識別と各分域の結晶軸の同定を行った。また周期的反転分域構造をもつLiTaO3の分域構造を初めて観察すことに成功した。この成果の上に、次年度は外場のもとでの分域構造のダイナックスの研究を行う。 2.水素結合系結晶の相転移機構の研究 固体物理の分野で、1930年以来基礎的な課題として連綿として種々の研究がなされてきた水素結合系強誘電体、特にKH2PO4およびRb3H(SeO4)2について、中性子非干渉性散乱による実験、および理論的を行った。実験は日本原子力研究所のJRR3原子炉に設置された中性子散乱装置、および高エネルギー研究所のパルス中性子散乱装置を用いて行った。水素結合を形成するプロトンの大きな中性子非干渉性散乱断面積を利用して運動量・エネルギー空間で詳細な散乱スペクトルを観測し、これを新しい理論的枠組みで解析することを試みた。この結果、多くの知見が得られた。特に従来異なる実験手段による結果についてみられた種々の矛盾が解消したように思われる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 上江洲 由晃 他2名: "Anomalous Reflectivity of Phare Coujugate Wave from KNbO_3 in Multi-solution Region in Four-Wave Mixing Process" Proceedings of Japan-US Workshop on functional fronts in Advanced Ceramics. 146-149 (1994)
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[Publications] 上江洲 由晃 他1名: "Moving grating method in phare coujngation-Principle,method and its application" Journal of Korean Physical Society. 27. S124-S130 (1994)
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[Publications] 上江洲 由晃 他3名: "Method for sefarating linear and circular photogalvanic effects and its application to ferroelectric lead germanate" Japanese J. Appliea Physics. 33. 5453-5456 (1994)
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[Publications] 上江洲 由晃 他1名: "Propopal of a modulator-integrated structure in quasi-phare matched second harmonic generation" Japanese J. Appliea Physics. 33. 5457-5459 (1994)
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[Publications] 山田 安定 他1名: "Dynamical properties of protons in KH_2PO_4・I-Proton Selftrapped state and its Incoherent tunneling-" Jourual of Phys.Soc.Japan. 63. 3691-3755 (1994)
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[Publications] 山田 安定: "Dynamical properties of protons in KH_2PO_4II-Isotope Effect on the ferroelectric phase transition" Journal of Phys.Soc.Japan. 63. 3756 (1994)