1994 Fiscal Year Annual Research Report
ミュオン原子X線による高温超伝導体酸素濃度の高感度分光
Project/Area Number |
06452060
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
鳥養 映子 山梨大学, 工学部, 助教授 (20188832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒嶋 弘直 山梨大学, 工学部, 教授 (90020346)
永嶺 謙忠 東京大学, 理学部, 教授 (50010947)
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Keywords | 高温超伝導 / 非破壊元素分析 / ミュオン原子X線 |
Research Abstract |
高温超伝導体の超伝導転移温度の特性は、酸素濃度の化学量論的濃度からのわずかなずれに大きく依存することが知られている。しかし、非破壊で数10ppmの相対分解能を持つ分析手段がないために、この方面の定量的な研究はまだ進んでいない。我々は、負ミュオンの原子捕獲に伴い放出される、ミュオン原子x線が、非破壊でかつ高感度の元素定量分析の新しい手法になり得る可能性に着目して、今年度はまず以下の基礎研究を行った。 1.検出器のエネルギー分解能の評価 2.2次元データ収集システムの構築 3.実験に必要なミュオン強度、時間、バックグラウンドの推定 TRIUMF研究所(カナダ、バンク-バ市)にある世界最高強度の負ミュオン源を利用して、La_<1.85>Sr_<0.05>CUO_<4-d>、La_2CUO_4におけるミュオン原子x線のエネルギースペクトルを、Si、およびGe検出器で測定し、エネルギー分解能と必要な統計量を見積もった。また、RAL研究室(デデゥコット、イギリス)にて完成したばかりのRIKEN/RALミュオン実験施設にテスト実験を依頼し、La_<1.875>Ba_<0.125>CuO_4のエネルギーおよび時間の2次元測定を行った。これまでの結果から、本実験に必要な検出器の特性、データ解析系、統計などの基礎データが得られた。これらのデータを踏まえて、第2年度にいよいよ本実験に取り組む予定である。
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