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1995 Fiscal Year Annual Research Report

高分子超薄膜の構造揺らぎと結晶成長

Research Project

Project/Area Number 06452069
Research InstitutionKYOTO UNIVERSITY

Principal Investigator

宮地 英紀  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90025388)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 泉 邦英  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50025376)
Keywords高分子 / 超薄膜 / 結晶成長 / 拡散
Research Abstract

昨年度の研究で発見された超薄膜における結晶成長速度の低下を明らかにするために、成長速度の膜厚依存性を調べた。アイソタクティックポリスチレンの0.4〜0.8%シクロヘキサン溶液を水面に適下し、水面展開法により数十から数百nmの膜厚を持つ高分子超薄膜を作製し、分子量・下地物質・結晶科温度を変えて、成長速度Gの膜厚D依存性を測定した。その結果、結晶化温度が210°Cと180°Cの場合には、GはDの逆数に対して直線的に減少することが見出だされた。すなわち、G/G_∞=1-a/D, G_∞はバルクでの成長速度であり、aは分子量・下地物質・結晶温度にはほとんど依存せずに5〜6nmである。140°Cでは膜面に平行な板状晶では、Gは同じように減少するが、2次元球晶の膜面に垂直な板状晶では全く減少しない。これらの結果から、超薄膜中に閉じこめられた高分子鎖が下地との相互作用(吸着)によって、下地から5〜6nmの距離までに存在する高分子鎖の部分の結晶成長速度が遅くなっていると結論される。球晶に見られる膜面に垂直な板状晶の場合には、分子鎖が膜面に平行であるため下地に近い部分の成長速度のみが遅くなって、成長面は曲面を形成しているが、観察される上面ではG_∞となっている。
高分子結晶の成長速度を決定している因子は物質拡散と成長面での核形成などの界面カイネティクスである。成長速度の膜厚依存性が界面カイネティクスによるものであれば、過冷却依存性が著しく現われるはずであるが、観察されていない。したがって、吸着によって超薄膜内に制限された高分子の拡散過程が遅くなった結果であると結論できる。

  • Research Products

    (4 results)

All Other

All Publications (4 results)

  • [Publications] 宮本嘉久: "Small-angle X-ray Scattering ofIsotactic Polystyrene." Colloid. Polym. Sci.273. 66-75 (1995)

  • [Publications] 奥村茂行: "Melting Point Maximum against Pressure in Poly-4-Methyl-Pentene-1 Crvstals." Polymer. 37(印刷中). (1996)

  • [Publications] 松本太成: "Dielectric Properties and Phase Transitions of Polvdiacetylene-bis(p-Toluene Sulphonate)." J. Phys. Soc. Jpn.65(印刷中). (1996)

  • [Publications] 泉 邦英: "Growth and Lattice Defects of Hexamethylbenzene Crystals." J. Cryst. Growth. (印刷中). (1996)

URL: 

Published: 1997-02-26   Modified: 2016-04-21  

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