1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452076
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Research Institution | the University of Tokyo |
Principal Investigator |
浜野 洋三 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90011709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 茂生 東京大学, 地震研究所, 助手 (50262085)
大野 正夫 東京大学, 理学部, 助手 (00251413)
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Keywords | 太古代 / 磁場変動 / 内核 / 地磁気の逆転 / 古地磁気 / 縞状鉄鉱 |
Research Abstract |
本研究は太古代の岩石の古地磁気測定により、太古代の磁場の存在、磁場強度、磁場変動の様相を明らかにし、地球進化に伴う内核の成長モデルのモデル計算等の理論計算と組み合わせることにより、コアの進化の歴史を明らかにすることが目的である。今年度は、古地磁気測定においては、オーストラリアピルバラ地域において新たに大量の岩石を採集した。これらは太古代の縞状鉄鋼の連続試料、チャート、グリーンストーン類、貫入岩等の岩石であり、年代的には35億年前から太古代の終わりである25億年までの年代を持っている。現在は各岩石種、各年代の岩石についてパイロットサンプルを選び出し、交流消磁、熱消磁により岩石の持つ残留磁化の安定性について吟味が終わった。縞状鉄鋼に関しては連続試料を約1cm毎に2.5mサンプリングし、磁化測定を行った。この結果、33億年の太古代にも地磁気の逆転があったことが確認され、2.5mにわたる逆転史を求めることができたが、次の段階では、この縞状鉄鋼の堆積速度を決定することにより、太古代の逆転頻度を明らかにすることが残されている。火山岩、貫入岩に関しては古地球磁場強度の測定を開始した。昨年度までは主にテリエ法によって古地球磁場強度を測定していたが、本年度には交流消磁を用いるショウの方法を併用することにより、測定強度の信頼度を高めることを行っている。結果は33億年前の岩石は昨年度の結果と同じように現在の磁場の数倍程度の強い磁場を示すが、26億年の頃の岩石は、現在よりも弱い磁場強度を示唆するものであった。大古代の磁場強度が初期は強く、太古代一原生代境界に近づくにしたがって弱くなっていたことを示唆するものである。理論計算委置いては、内核の成長過程のシミュレーションを前年度に引き続いて行い、地震観測から得られる内核の異方性や不均質性と内核の成長速度を結び付けるための基本的関係が導かれた。
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[Publications] Yoshida,S.,and Hamano,Y.: "Geomagnetic decadal variations caused by length-of day variation" Physics Earth Planet,Interiors. 91. 117-129 (1995)
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[Publications] Ito,T.,Masuda,K.,Hamano,Y.,and Matsui,T.: "Climate friction:A possible cause for secular drift of Earth's obliquity" J.Geophys.Res.100. 15147-15161 (1995)
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[Publications] Sumita,I.,Yoshida,S.,Hamano,Y.and Kumazawa,M.: "A model for the structural evolution of the earth's core and its relation to the observations." In The Earth's central Part:Its structure and Dynamics ed T.Yukatake. 231-260 (1995)