極端紫外光による惑星周辺プラズマ分布の撮像を目的とした基礎開発

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06452088
• Research Category: Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 中村 正人 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (20227937)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山下 広順 名古屋大学, 理学部, 教授 (80022622) ; 平原 聖文 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (50242102)
• Keywords: 極端紫外光 / 反射鏡 / フィルター / 測定系 / 性能評価

Research Abstract

平成6年度は光学部品の性能評価を行う準備として測定系の整備をおもに行い,測定の準備を完了した。極端紫外光源(ランプ)から発せられた光はステンレスのパイプを通ってコリメータに導かれる。このコリメータ内には、光を絞る為のスリットと試料の測定に必要な波長の光(150〜1000)を取り出すための回折格子が組み込まれており、特定波長の光のみを大型真空槽(1.2mΦ×1.5m)に導入する様に調整されている。試料はこの大型真空槽の中に設置され、評価される。大型真空槽内で試料及び試料からの光の反射(または透過)を検出する光電子増倍管を保持、回転して試料の光学的特性を測るための2軸Θテーブルを宇宙科学研究所から移設した。試料はテーブルの中央に置かれ、これを回転させる事によって光の試料への入射角度を変える事が出来る。また光電子増倍管はこの試料の周りを円弧を描いて運動するように設置され、試料から反射された光を検出する。試料を通さずに直接光を検出器に入射した時と、試料からの反射光(または透過光)を測った時の比により試料の反射率(あるいは透過率)を決定するようにした。
この測定装置を用いて,観測ロケット(S-520-19)に搭載されるHEM(ヘリウムエミッションスキャナー)に使われる反射鏡,フィルター,検出器の性能評価を行う事が出来た。鏡の反射率は多層膜反射鏡に求められる30%,フィルターの透過率は304 の波長で20%,また検出器は極端紫外域におけるMCPの標準的な量子効率である15%である事を確認した。
これら一連の作業により,今後の光学部品の試作,評価の準備が整ったと考える。