1994 Fiscal Year Annual Research Report
飛騨帯を形成する地質体の接合過程-古地磁気法とフィッション・トラック法によるアプローチ
Project/Area Number |
06452096
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
松田 高明 姫路工業大学, 理学部, 教授 (50145827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 隆 山口大学, 理学部, 教授 (60108264)
後藤 篤 姫路工業大学, 理学部, 助手 (50211917)
森永 速男 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (40210182)
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Keywords | 飛騨帯 / ジュラ紀花崗岩 / 手取層群 / 白亜紀火山岩類 / スラスト / 古地磁気 / フィッション・トラック年代 |
Research Abstract |
1.富山県有峰湖周辺から岐阜県高山市にかけて野外調査を行い、放射年代および古地磁気方位測定用試料として、ジュラ紀花崗岩類・手取層群、白亜紀〜古第三紀火山岩類の採取を22カ所で行った。 2.ジュラ紀花崗岩類の信頼できる古地磁気方位を5サイトで得ることができた。平均の偏角と伏角は、それぞれ約30°と38°であり、ジュラ紀花崗岩の生成後現在までに、飛騨帯が約15°北上し、30°時計回りに回転したことを示した。この偏角は前期中新世まで特徴的に続く。 飛騨外縁帯および美濃帯上の白亜紀から古第三紀火山岩類の古地磁気方位は、東に約60°偏っており、飛騨帯のジュラ紀から前期中新世までの偏角と約30°異なっていることがわかった。このことは、飛騨帯が反時計回りに約30度回転した後に、古第三紀以降になって飛騨帯・飛騨外縁帯・美濃帯が一体となって、時計回りに60°回転したか、古第三紀以降、飛騨帯と飛騨外縁帯、美濃帯が異なった運動を行った可能性を示す。これは、来年度の主な検討課題である。 5.横山衡上断層の直上と直下から採取したジュラ紀花崗岩類および手取層群の砂岩から、フィッション・トラック年代の測定に適したジルコン・アパタイトを得ることができた。それらについて、現在年代測定を進めている。また、ジュラ紀花崗岩の内、打保岩体と下之本岩体からもジルコン・アパタイトに加え、スフェーンを得ることができ、熱年代学的検討が可能であることが判った。来年度に年代測定を行う予定である。
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