1995 Fiscal Year Annual Research Report
解剖学・発生学・分子生物学的資料に基づく現生・化石頭足類の系統進化学的研究
Project/Area Number |
06452097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
棚部 一成 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20108640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重田 康成 国立科学博物館, 地学研究部, 研究官 (30270408)
遠藤 一佳 京都大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80251411)
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Keywords | 頭足類 / 解剖学 / 発生学 / 分子生物学 / 系統進化 |
Research Abstract |
1)比較発生学的研究:棚部および重田は、米国アメリカ自然史博物館Neil H.Landman博士,ロシア科学アカデミー極東研究所のYuri D.Zakharov教授の協力を得て、世界各地の中・古生界から産した保存のよい標本試料を基にアンモノイド類の胚殻の外部形態よび内部構造を走査型電子顕微鏡を用いて検討し、他の現生・化石頭足類のものと比較した。その結果、アンモノイド類の胚殻形態はオウムガイ類とは大きさや内部構造の点で大きく異なり、むしろ鞘形類のものと類似することが判明した(詳細は現在印刷中のLandman,Tanabe & Davis編集のAmmonoid Paleobiologyの中で報告した)。また、棚部は鳥羽水族館の協力を得て、現生オウムガイ類の胚発生と胚殻構造の形成過程について研究中であり、その成果の一部は1996年1月の日本貝類学会年会で講演した。 2)比較解剖学的研究:棚部および重田は現生・化石頭足類の殻に残された筋肉痕および歯舌の比較形態的研究をすすめており、その成果の一部はTanabe & Mapes(1995)で公表した。 3)系統分類学的研究:棚部は1)、2)の研究成果を基に、頭足類の高次分類群の系統関係を明らかにする目的で、14の相同形質を用いて分岐分析を行った、その結果、頭足類は胚殻や歯舌の構造・筋肉痕の数などの形質からオウムガイ類とオルソセラス類からなる単系統群と、アンモノイド類と鞘形類からなる単系統群に分けられることが判明した。この成果はAmerican Museum,Novitates誌にTanabe & Landmanで印刷中であり、本年7月開催予定のスペインでの頭足類国際シンポジウムで発表予定である。 4)分子生物学的研究:遠藤は棚部がフィリッピン海域で採集した現生オウムガイの組織を用いて分子系統学的研究を継続している。また、これと並行して、貝殻中の生体高分子(硬蛋白質)の同定とアミノ酸配列の解析を進め分子進化に関する基礎的情報を得ることを目指している。
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[Publications] Tanabe,K.,Shigeta,Y.,and Mapes,R.H.: "Early life history of carboniferous ammonoids inferred from analysis of Shell hydrostatics and fossil assemblages" Palaios. 10. 80-86 (1995)
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[Publications] Tanabe,K.and Mapes, R.H.: "Jaws and radula of the Carboniferous ammonoid Cravenoceras." Journal of Paleontology. 69. 703-707 (1995)
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[Publications] 棚部一成: "オウムガイとアンモノイドの比較" 遺伝. 49. 37-43 (1995)
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[Publications] Endo,K.,Reyment,R.A and Curry,G.B.: "Taxonomic relationships in Terebratulina(Brachiopoda)established by multivariate morphometrics." Revista Espanola de Paleontologia. 10. 109-116 (1995)
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[Publications] Endo,K.,Walton,D.,Reyment,R.A.and Curry,G.B.: "Fossil intra-crystalline biomolecules of brachiopod shells! diagenesis and preserued geo-biological information" Organic Geochemistry. 23. 661-673 (1995)
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[Publications] 遠藤一佳: "“生きている化石"と分子ヘテロクロニ-" 遺伝. 49. 67-71 (1995)
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[Publications] Landman,N.H.,Tanabe,K.,and Davis,R.A. (eds.): "Ammonoid Paleobiology" Plenum Press,New York(印刷中), (1996)