1996 Fiscal Year Annual Research Report
磁性元素を含む半導体超格子における磁気光学特性の空間的制御とその応用
Project/Area Number |
06452102
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
滝田 宏樹 筑波大学, 物質工学系, 教授 (00011213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 眞司 筑波大学, 物質工学系, 講師 (40221949)
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Keywords | 希薄磁性半導体 / 多重量子井戸 / 磁気光吸収 / typeI-typeII転移 / ヘテロ界面物性 |
Research Abstract |
1.磁場誘起typeI-typeII転移 CdTe/Cd_<1-x>Mn_xTe超格子における磁場誘起typeI-typeII転移に関しては、昨年度までの研究において、Mn濃度が約30%と比較的大きい試料のパルス強磁場下での吸収測定でheavy hole励起子の吸収強度の減少及びエネルギーのred shiftという明瞭な変化を観測し、計算との比較によりこれらの変化がtypeI-typeII転移に伴うものであることを確認し、転移磁場から価電子帯不連続量が30〜40%と見積もられた。一方、Mn濃度が10%程度と比較的小さい試料で、強磁場下吸収測定を行い、35〜40Tにおいて、Faraday配置では励起子エネルギーのred shiftを、またVoigt配置では吸収強度の減少を観測した。これらの変化は、上記のMn濃度30%の試料で観測された現象と似ていることから、typeI-typeII転移に伴うものであると考えられる。 2.ヘテロ界面におけるMnの拡散 昨年度に引き続き、CdTe/Cd_<1-x>Mn_xTe界面における急峻性の欠如(界面のbroadening)による界面でのMn^<2+>磁化の増大を原因とする励起子の巨大Zeeman分裂エネルギーの増大に焦点をあて、研究を行った。様々な成長条件で作製した試料において、巨大Zeeman分裂エネルギーの測定から界面のbroadeningの程度を評価したところ、broadeningを生じる原因はCd/Te fluxの供給量比により大きく異なることがわかった。すなわち、 ・Te flux過剰供給下で成長させた試料では、界面のbroadeningの生じる原因は主としてCd,Mn原子の熱拡散であり、broadeningの程度は成長温度により大きく異なり、また試料作製後の熱アニールにより、顕著に増大する。 ・Cd flux過剰供給下で成長させた試料では、界面のbroadeningの生じる原因は主として成長表面におけるMnの編析であり、broadeningの程度は成長温度いあまり依存せず、また試料作製後の熱アニールによってもあまり増大しない。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 滝田宏樹・黒田眞司: "Interface characterization of CdTe/Cd_<1-x>Mn_xTe multiple quantum wells through magneto-optical measurement" Extended Abstracts of the 2nd Symposium on the Physics and Application of Spin-Related Phenomena in Semiconductors. 74-77 (1997)
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[Publications] 滝田宏樹・黒田眞司: "Exciton states in CdTe/Cd_<1-x>Mn_xTe multiple quantum wells in the megagauss field range" Proc.of 12th Internat.Conf.on High Magnetic Fields in Semicond.Phys.(in press).
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[Publications] 滝田宏樹・黒田眞司: "Magnetic-field induced thpeI-typeII transition in CdTe/Cd_<1-x>Mn_xTe multiple quantum wells" Journal of Crystal Growth. 159. 967-971 (1996)