1994 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属の触媒効果を用いたZnSeへのNド-ピングに関する研究
Project/Area Number |
06452109
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小長井 誠 東京工業大学, 工学部, 教授 (40111653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 保 東京工業大学, 工学部, 助手 (80233378)
山田 明 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40220363)
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Keywords | II-VI族化合物半導体 / ZnSe / 分子線エピタキシ- / 窒素ド-ピング / 触媒 |
Research Abstract |
II-VI族化合物半導体であるZnSeは青色発光素子への応用が期待されている材料であるが、その基礎技術となる伝導型の制御、特にp型ZnSeを得ることが困難であった。近年、ZnSeのMBE成長においてプラズマ励起した窒素をド-ピングすることによりp型ZnSeが得られるようになってきたが、伝導度制御など様々な点で課題が残されている。本研究では、プラズマ励起を用いない新しいZnSeへの窒素ド-ピング法として、遷移金属の触媒効果を用いた窒素ド-ピングを試みた。 本年度はまず、遷移金属としてタングステン(W)と鉄(Fe)を選び、その結果を検討した。まずタングステンフィラメントを用いた場合には、低温におけるフォトルミネッセンス測定から2000℃に加熱して窒素ガスを導入した場合の方が加熱しない場合に比べてドナーアクセプタペア(DAP)発光の強度が増加した。このことからタングステンの触媒効果によりZnSeへの窒素の取り込みが増加したと考えられる。また、鉄を用いた場合には、300℃に加熱して窒素を導入した場合には、加熱しなかった場合にみられた中性アクセプタ束縛励起子発光が消滅した。このことも鉄の触媒効果により窒素の取り込みが増加したものと考えられる。しかし、いずれに場合も得られたZnSeは高抵抗であり、触媒セルに構造の最適化等が必要であると考えられる.また、プラズマセルを用いたZnSeへの窒素ド-ピングに原子層エピタキシ-(ALE)法を導入し、窒素のSe面への選択的なド-ピングが有効であることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)