1995 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属の触媒効果を用いたZnSeへのNド-ピングに関する研究
Project/Area Number |
06452109
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小長井 誠 東京工業大学, 工学部, 教授 (40111653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 保 東京工業大学, 量子効果エレクトロニクス研究センター, 助手 (80233378)
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Keywords | II-VI族化合物半導体 / セレン化亜鉛 / 分子線エピタキシ- / 窒素ド-ピング |
Research Abstract |
本年度は,遷移金属としてタングステン(W)を選んで,研究を行った.タングステンは2000℃程度に加熱すると原子状水素が得られることが知られている.本研究では,原子状水素を発生させることを目的として設計されたタングステンフィラメントセルを用いた.このセルでは30%以上の分解効率で水素をクラッキングできる. 本研究ではまず,高温に加熱したW-フィラメントの効果を明らかにするために,フィラメントを加熱して(Tw=1500℃)窒素を供給した場合,フィラメントを加熱せずに窒素を供給した場合,窒素を供給せずにフィラメントを加熱した場合をアンドープのZnSe薄膜と比較した.その結果,4.2Kにおけるフォトルミネッセンス(PL)測定において,フィラメントを加熱して窒素を供給した場合にのみ,ドナー・アクセプタペア(DAP)発光が観測された.このことから,フィラメントを加熱することで窒素が効率よくZnSeに取り込まれることがわかった.また,W-フィラメントの温度依存性を検討した結果,W-フィラメントの温度が高いほど,窒素が多く取り込まれていることがPL測定より明らかになった.しかし,いずれのNドープZnSe薄膜も高抵抗であった.これらの原因を明らかにするために,X線回折法により評価を行った.その結果,窒素ド-ピングを行ったZnSe薄膜の格子定数が通常の格子定数より大きくなっていることが明らかになった.プラズマ励起窒素を用いてド-ピングした場合には格子定数が小さくなることが知られている.このことから,W-フィラメントを用いて窒素ド-ピングを行った場合には窒素が格子間位置に入り,その結果としてNドープZnSe薄膜が高抵抗となると考えられる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hideki Tojima: "Nitrogen Doping into ZnSe by the Catalysis of Transition Metal" J. Crystal Growth. 138. 408-411 (1994)
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[Publications] Tamotsu Okamoto: "Nitrogen Doping of ZnSe by Using High-Temperature Tungsten Filament" Proc. Intern. Symp. Blue Laser and Light Emitting Diodes. (in press). (1996)