1995 Fiscal Year Annual Research Report
6THz繰返し周期制御フェムト秒分光による有機結晶ダイナミックスの研究
Project/Area Number |
06452124
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山下 幹雄 北海道大学, 工学部, 教授 (10240631)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 隆二 北海道大学, 工学部, 講師 (30222350)
|
Keywords | フェムト秒光パルス波形整形 / フェムト秒時間分解4光波分光 / フェムト秒時間分解光カー効果 / 光ヘテロダイン検出 / 非線形光学材料 / カルコン誘導体 / カロテノイド |
Research Abstract |
本研究の目的は、フェムト秒光パルス列の周期を1ps以下の周期で制御できる手法を開発し、この光パルス周期を有機非線形光学材料の特定振動モードに一致させ、選択的に特定振動モードを増幅し、その際の非線形性のふるまいを明らかにすることである。そこで、本年度は、1.THz繰り返し光パルス列発生実験、2.フェムト秒時間分解4光波混合分光装置の試作ならびに非線形光学現象のダイナミックスの解明への応用実験、3.光ヘテロダイン検出フェムト秒時間分解光カー効果測定系の試作および非線形光学現象のダイナミックスの解明への応用実験を行った。 ・1.空間位相変調器、回折格子、凹面鏡を用いて、パルス幅〜100fs、発進波長〜800nmのチタンサファイアレーザーパルスをパルス整形するための光学系を構成し、実際にフェムト秒パルスの波形整形に成功した。この整形後の光パルス波形は、試作した相互相関器の相関波形の形で観測している。 ・2.フェムト秒色素レーザーと色素増幅器とを光源としたフェムト秒時間分解4光波混合分光装置を試作し、有機材料であるカルコン誘導体結晶の時間分解非線形特性の測定を行った。この結果、カルコン誘導体は、電子分極に寄与する3次の非線形光学特性を有し、これはフェムト秒領域で応答することが明かとなった。 ・3.フェムト秒チタニウムサファイアレーザーを光源とした、光ヘテロダイン検出フェムト秒時間分解光カー効果測定系の試作を行い、有機材料であるカロテノイド溶液の時間分解非線形光学特性の測定を行った。この結果、次のことを明らかにした。すなわち、カロテノイド分子がフェムト秒域で応答する大きな負の非線形性を持つこと、また、これらの非線形性発現メカニズムは2光子過程によるものであること、である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] R.Morita and M.Yamashita: "Compensation for the influence of the delayed nonlinear response on an organic crystal cored fiber for femtosecond optical pulse compression" Nonlinear Optics. 13. 177-184 (1995)
-
[Publications] R.Morita and M.Yamashita: "Control of femtosecond optical pulses using nonlinear organic materials" Ultrafast and Ultra-parallel Optoelectronics. 94-105 (1995)
-
[Publications] 山下幹雄: "未踏時間域の光波機能技術の創生" フェムト秒テクノロジーII. 17-21,48-50 (1995)
-
[Publications] 山下幹雄: "フェムト秒光パルス制御用非線形光学材料" 超高速・高機能デバイスI. 43-50 (1995)
-
[Publications] Y.Yamaoka,et al.: "Dynamics of third-orde nonlinearity of nonresonant organic solutions by femtosecond pump-probe spectroscopy" Nonlinear Optics. (in press).
-
[Publications] 山下幹雄: "誘電体多層膜のフェムト秒光パルス技術への応用" レーザー研究. 24. 36-47 (1996)