1994 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電性・反強誘電性液晶における揺らぎの非線形緩和スペクトロスコピー
Project/Area Number |
06452137
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
早川 禮之助 東京大学, 工学部, 教授 (00011106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 康之 東京大学, 工学部, 助手 (00225070)
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Keywords | 液晶 / 高次相関関数 / 動的光散乱 |
Research Abstract |
本年度は光散乱強度の時間揺らぎの高次相関関数を測定する非線形光散乱スペクトロスコピー装置の開発を以下のように行なった。He-Neレーザからの出力光を偏光子に通した後、ガラスセル中に封入した液晶試料に入射し、その散乱光を検光子・レンズ系・光ファイバを介して高感度のフォトンカウンティング用フォトマルで受光する。得られた光電流は高速プリアンプにより電圧信号に変換された後、高速シグナルプロセッサに取り込まれてフォトンカウンティングが行なわれる。得られた時系列信号はパーソナルコンピュータに転送され、高次相関関数の計算およびその多重フーリエ変換として与えられる高次パワースペクトルの計算が行われる。上述の光学系はパルスモータを用いた回転ステージ上に設置され、コンピュータによる散乱角の設定および自動スキャンが可能となるため、種々の散乱角における動的・静的光散乱の効率よい測定が実現された。ことに、開発されたシステムでは受光方向、セルに対する入射光の方向および偏光子とセルのなす角の3つの角度を独立に設定できるように3軸の回転ステージを用いており、容易に光学配置の変更が行える点に特色がある。これに加えて2時間相関関数については、散乱強度の弱いときの光散乱測定を可能にする、パルス間の時間間隔測定による相関関数測定(time interval法)も行なえるようにした。これまでに、開発された測定システムを用いて、従来よく知られているネマティック液晶を対象に種々の光学配置を用いて、その2時間相関関数の特性時間から、スプレー、ツイスト、ベンドの各モードの弾性定数と粘性係数の比を求め、測定システムの評価を行なった。この結果に基づき、光学系の改善、およびソフトウェアにおける計算の効率化を進めている。
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[Publications] Yasuyuki KIMURA: "THE CRITICAL BEHAVIOR OF NONLINEAR DIELECTRIC CONSTANTS OF FERROELECTRIC LIQUID CRYSTALS IN THE SMECTICA PHASE" Molecular Crystals and Liquid Crystals. (発表予定). (1995)
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[Publications] Teiyu SAKO: "ELECTRICAL AND OPTICAL RESPONSES OF AN ANTIFERROELECTRIC LIQUID CRYSTAL IN SmA,SmCa^* AND SmC^* PHASES" Molecular Crystals and Liquid Crystals. (発表予定). (1995)