空間信号処理による振動インテンシティ計測の高速高精度化

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06452138
• Research Institution: Tokyo Institute of Technology
• Principal Investigator: 上羽 貞行 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (90016551)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 藤田 肇 東京工業大学, 精密工学研究所, 客員教授 (40251673) ; 小池 義和 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (30251672) ; 中村 健太郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (20242315)
• Keywords: 振動インテンシティ / 固体伝搬波 / 空間フーリエ変換 / 波数空間 / 空間周波数フィルタ / たわみ振動 / 超音波ドップラ効果 / 光学的振動測定

Research Abstract

振動インテンシティは振動エネルギの伝搬方向と大きさを表す量であり、それが計測できると、振動及び騒音制御に有用である。昨年度までの研究において波数空間信号処理による測定手法の有効性について確認を行っている。本手法の特色は波数空間領域において処理することにあり、実空間における微分演算を波数空間領域において簡単で誤差の少ない積演算として処理できることにある。本年度は実用的測定手法を確立するために局面への適用と測定の高速化についての検討を行い、以下のような成果が得られた。
1.曲面への適用
昨年度までの研究においては、梁及び平板などについての理論及び実験的検討から提案手法の有効性を示した。今年度は円筒物体のような曲面を有する場合の振動エネルギの可視化についてについて検討を行うとともに、振動エネルギの伝搬に及ぼす曲率の影響を明らかにした。
2.測定の高速化
研究計画においては、光学走査による高速測定化について検討する予定であったが研究予算の関係から以下の検討を行った。
1)機械的移動ステージの利用 振動分布を測定するために光学系を移動ステージにより2次元走査し、走査方法に関する基礎資料を得ることができた。
2)超音波ドップラアレイの試作 移動ステージでは高速走査の実現は困難であるため、構造が容易で安価な超音波ドップラ振動計のアレイ化を新たに提案した。高周波超音波トランスデューサ(200kHz)を用いることで、空間分解能10mm、振動周波数1kHzで1m/sまでの線形性を実現した。これにより大規模アレイの製作が可能となり高速測定化への代替手段としての可能性を示すことができた。

Research Products

• [Publications] Ryusuke Morikawa: "Error Evaluation of the Structural Intensity Measured with a Scanning Laser Doppler Vibrometer and a K-space Signal Processing (to be published)" The Journal of the Acoustical Society of America.
• [Publications] Ryusuke Morikawa: "Ultrasonic Transducer Array for Structural Intensity Mments (to be published)" Japanese Journal of Applied Physics.