1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452139
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
畑 朋延 金沢大学, 工学部, 教授 (50019767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 公洋 金沢大学, 工学部, 助教授 (40162359)
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Keywords | 光音響分光法 / PAS / 熱拡散率 / 薄膜の熱拡散率 |
Research Abstract |
基板上に堆積した電子デバイス用薄膜の熱物性値はデバイスの設計、残留応力やデバイスの経時変化の解析、デバイス特性の適正化に重要な定数である。しかし、厚さ1μm程度の薄膜に対する熱物性値測定法の確立は新デバイス開発のためのキ-テクノジ-とされながら、現状ではまだ測定手段が確立せず模索の状態にある。我々は新しい光音響分光法を開発・改良して感度精度を上げる研究をしてきたが、従来のように厚さ方向の情報だけから薄膜の熱物性値を求めることは、(1)熱拡散長が薄膜の数100倍となり、(2)物理定数の決定にはトランスジューサ、基板、試料および空隙も熱抵抗として考慮しなければならず、解析が煩雑となり高精度測定には問題があった。 本研究の特色は基板上に堆積した薄膜において、薄膜に吸収された光により発生した熱は薄膜と基板を通って横方向に伝搬する。我々は、熱の検出にz-cutのLiNbO_3焦電トランスジューサを用い、1次元伝搬する各種バルク板状試料の熱拡散率の測定法を確立し、熱拡散率を測定した。Si:0.87,Cu:0.96,InP:0.44,GaAs:0.25,Ta:0.24[cm^2/s]と求まり、誤差は何れも文献値と1〜5%程度であった。 次に石英基板に堆積した約1μmのSi薄膜の熱拡散率を求めた。光を照射した位置、つまり熱源からの温度変化は基板と膜の熱抵抗の並列接続と考えることができる。膜表面に光を照射して裏面で温度勾配を観測すれば石英基板の熱拡散率が7.18×10^<-3>[cm^2/s]と求まり、膜表面で温度勾配を観測すれば膜と基板の並列熱抵抗からSi薄膜の熱拡散率は0.65[cm^2/s]とも止まった。これは多結晶Si膜の値としては妥当である。以上述べたように石英基板およびその上のSi薄膜の熱拡散率を求めることに成功した。
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