1994 Fiscal Year Annual Research Report
温度勾配を付与した傾斜組成セラミック遮熱コーティング材の超高温疲労強度特性
Project/Area Number |
06452147
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
武藤 睦治 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00107137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古口 日出男 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (90143693)
岡崎 正和 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00134974)
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Keywords | 疲労強度 / 傾斜機能コーティング / セラミックコーティング / 高温 / 温度勾配 |
Research Abstract |
(1)外部加熱用に高周波電源および加熱コイル(日本電子製JTR-10)を購入するとともに、内部冷却用の大型コンプレッサー(北越工業製)を購入し、温度勾配を付与した高温疲労強度試験を行うための加熱冷却装置を試作した。この試作した加熱冷却装置により、試験片外表面で試験方向±15mmの範囲で温度を±5℃に制御できること、外表面温度1000℃のとき内表面温度を820℃までの温度勾配を持たせることが可能であることが確認され、今後の、温度勾配付き高温疲労試験を行うに当たって十分な性質を有することが分かった。 (2)セラミックしゃ熱コーティング材の熱サイクル試験に行った。熱サイクルの繰り返しにより、コーティング層表面に割れを生じたが、その大きさ、数量ともに2層コーティング材に比べ傾斜機能コーティング材の方が小さく、割れの発生に対する組成傾斜化の効果が顕著に認められた。 (3)酸化がより顕著な高温・長時間の熱サイクル試験結果によると、表面でのセラミック層の厚い2層コーティング材の方が、セラミック層の薄い傾斜機能コーティング材よりも酸化による層間はく離を生じにくかった。 (4)数種の耐食コーティングを施したタービン翼材の試験片全体を均一加熱した高温疲労試験によると、き裂はコーティング層から発生することはほとんど無く、内部の母材が有する鋳造欠陥等が疲労破壊の起点となっていた。このことは用いた耐食コーティングが疲労強度に悪影響を及ぼすことなく、母材に耐食性を持たせていることを示している。 (5)以上の結果は、次年度以降の本研究計画を遂行するうえで、きわめて有益な知見を与えるものである。
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