1995 Fiscal Year Annual Research Report
HCFC22代替用3種混合冷媒の熱物性と伝熱特性に関する研究
Project/Area Number |
06452182
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 孝基 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40010681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛原 英治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (00156613)
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Keywords | HCFC22 / 代替冷媒 / 混合冷媒 / 状態方程式 / 熱交換器 / 蒸発 / 凝縮 |
Research Abstract |
本研究は,冷媒HCFC22の代替冷媒の一つとして考えられている3種混合冷媒HFC32/HFC125/HFC134a系の平衡・非平衡物性プログラムの整備,熱交換器における蒸発・凝縮熱伝達特性の解明を目的としている。 平衡物性は,基本的に状態方程式から導かれるので,Peng-Robinson状態方程式を整備するために,混合冷媒の蒸気圧の測定を行った。まず,単一冷媒HFC134aの蒸気圧を測定して,文献値と比較することにより実験装置の健全性を確認した後,HFC32/125系とHFC32/125/134a系について,-10〜50°Cの範囲で蒸気圧の測定を行った。そのデータを基にPR状態方程式中の異分子間相互作用パラメータの値の最適化を行った。この結果,冷凍サイクルのシミュレーションや熱伝達実験の整理に利用することのできる熱物性プログラムコードを完成させた。 次に,熱交換器における伝熱性能に関しては,単一冷媒HFC32,HFC125,HFC134a,2成分冷媒HFC32/125系,3成分冷媒HFC32/125/134a系の水平平滑管内における蒸発および凝縮熱伝達の実験を行った。熱流束,質量速度,クオリティを変えて実験することにより各種パラメータの熱伝達特性に与える影響を検討した。蒸発温度は約20°C,凝縮温度は約40°Cである。非共沸混合冷媒においては,物質伝達の効果により伝熱低下が起こることが指摘されていたが,本研究の実験においても30%程度の伝熱低下が観測された。そこで,伝熱低下を予測するモデルを考察し,蒸発熱伝達においては熱伝達率をほぼ予測することが可能なモデルを提案することができた。凝縮熱伝達においては,強制対流凝縮を想定して伝熱低下モデルを考えたが,予測値は実験値より約15%高い値を示し,体積力凝縮の効果が大きいことが明らかになった。
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