1994 Fiscal Year Annual Research Report
燃焼室内乱流予混合火炎のフラクタル構造と未燃焼混合気の乱流特性
Project/Area Number |
06452186
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
浜本 嘉輔 岡山大学, 工学部, 教授 (60025955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉山 定見 岡山大学, 工学部, 助手 (80210780)
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Keywords | 燃焼 / 予混合燃焼 / 乱流予混合火炎 / 火炎構造 / レーザートモグラフィ / フラクタル / 可視化 / 密閉燃焼室内燃焼 |
Research Abstract |
内径85mm,幅20mmの燃焼室内へ,メタン-空気混合気(当量比φ=1.0)を接線方向に流入せしめて旋回乱流場をつくり,燃焼室中心にて電気火花で点火し,伝播中の種々の時期における乱流火炎の断面像を,レーザーシートとCCDカメラにより撮影し,測度法を用いてフラクタル解析を行った。光源はNd:YAGレーザであり,散乱粒子としては,平均粒径0.2μmの二酸化チタンを用いた.燃焼室内の旋回乱流は,レーザ流速計により,非燃焼状態で測定した.主な結果は次の通りである. (1) 測度法では,火炎の境界線を構成する画素を中心とする半径εの円を描き,その円を境界線に沿って移動することにより得られる帯の面積N(ε)を帯の幅2εで割ることにより境界線の長さL(ε)を求める.この解析をディジタル画像処理によって行う際の量子化誤差について検討した。その結果,円形を使って求めた係数c(ε)=Ng(ε)/N(ε)(Ng(ε)=4πrε)によって補正しうることを示した. (2) 代表的なフラクタル図形であるコッホアイランドのフラクタル解析の結果,アウタ-およびインナーカットオフ,εo,εiは,それぞれ,コッホアイランドの大きさの約1/2および最小の一辺の長さに対応していることが分かった.このことは,乱流火炎の解析によっても確かめられた. (3) 火花点火直後の火炎はフラクタル性がなく,発達していくに従って火炎面の凹凸が激しくなり,フラクタル性をもつようになる.また,乱れが弱い場合にはフラクタル性をもたない. (4) 燃焼が進行するに従って,フラクタル次元D_3は増加し,インナーカットオフεiは減少していき,それぞれ一定値に近づく. (5)(εi/εo)^<2-D3>は,層流燃焼率に対する乱流燃焼率の比,Mb/(ρuFLSL)とほぼ等しくなる.
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