都市域の小規模電源群を活用するパケット電力輸送方式の研究

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06452197
• Research Category: Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 豊田 淳一 東北大学, 工学部, 教授 (70054319)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 遠藤 為治郎 東北電力(株), 電力技術研究所, 主幹研究員 ; 一ノ倉 理 東北大学, 工学部, 助教授 (20134017) ; 斎藤 浩海 東北大学, 工学部, 助教授 (10202079)
• Keywords: 小規模分散電源 / 都市エネルギーシステム / 余剰電力 / 電力輸送方式 / パケット電力 / 自律的輸送方式 / 電力貯蔵装置

Research Abstract

都市域は需要密度が高く、太陽光発電、コ-ジュネ、燃料電池、都市廃棄物発電などの小規模電源を利用する可能性が高い。これら小規模電源の余剰電力は個々には小さいが、全体としては相当量に達すると期待される。そこで本研究では、小規模電源の余剰電力を"パケット電力"という新しいコンセプトの電力流通媒体に置き換えることによって、余剰電力が自律的に流通できるようなパケット電力輸送方式の実現可能性について研究している。
本年度は、次ぎのような研究成果を得た。(1)余剰電力の自律的な発生消費を司るために、パケット電力が付帯すべき情報と、パケット電力輸送方式の基本機能を明かにした。(2)パケット電力輸送網と在来電力システムの電力流通に関わる役割分担を明かにした。また、この輸送網を実現するための情報のはりつけ、読み取りの手法、自律的な電力輸送のための電力変換設備の基本構成を明かにした。(3)パケット電力輸送網の制御方式を開発した。特に、電力をパケット化するための電力貯蔵装置の制御方式と、そのパケット電力をネットワークの利用率を考えて自律的かつ最適に輸送するための経路決定法、並びにパケット電力に発生元と行き先のアドレス及び電力品質の情報を付帯させて送電するためのデータ通信方式を開発した。(4)高性能ワークステーションを購入し、電力システム内に本研究で創案したディスパッチャーを配置することにより、パケット電力輸送が可能になることを明かにしている。さらに、待ち行列の理論を用いて、ディスパッチャーの持つべき電力貯蔵能力を評価する方法を開発し、小規模分散型電源の有効利用に関して新しい知見を得ている。

Research Products

• [Publications] 斎藤浩海,豊田淳一: "パケット電力輸送システムの貯蔵能力の評価法" 電気学会電力技術研究会資料. PE-94-26. 77-84 (1994)
• [Publications] H.Saitoh,K.Inoue,J.Toyoda: "Genetic Algorithm Approach to Unit Commitment Problem" Proc.of International Conf on ISAP'94. 2. 583-589 (1994)
• [Publications] 斎藤浩海,高野豊,豊田淳一: "遺伝アルゴリズムを応用した想定事故選択問題の解法" 電気学会論文誌B. 115. 9-17 (1995)
• [Publications] 斎藤浩海,佐々木明夫,豊田淳一: "開放型電力ネットワークにおける電力貯蔵機能の役割" 第11回エネルギーシステム・経済コンファレンス講演論文集. (発表予定). (1995)
• [Publications] 宮森敏,斎藤浩海,豊田淳一: "分散型電源を高度利用する開放型電力ネットワークの研究[I]-多品種電力の柔軟な輸送-" 平成7年電気学会全国大会講演論文集. (発表予定). (1995)
• [Publications] 島田亘,斎藤浩海,豊田淳一: "分散型電源を高度利用する開放型電力ネットワークの研究[II]-パケット電力ル-タの実現手段-" 平成7年電気学会全国大会講演論文集. (発表予定). (1995)