1995 Fiscal Year Annual Research Report
導体の運動を考慮した渦電流解析法の開発とその検証実験に関する研究
Project/Area Number |
06452201
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中田 高義 岡山大学, 工学部, 教授 (50032925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 耕二 岡山大学, 工学部, 助教授 (20190093)
高橋 則雄 岡山大学, 工学部, 教授 (40108121)
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Keywords | 速度項 / 過電流 / 運動座標系 / 静止座標系 / 三次元有限要素法 / 磁気ベクトルポテンシャル / 電磁スカラポテンシャル / ICCG法 |
Research Abstract |
本研究では、導体の運動を考慮した実用的な三次元渦電流解析を行うために、磁気ベクトルポテンシャル及び電気スカラポテンシャルを未知変数として取り扱うA-φ法を用いた三次元有限要素法を開発し、解の精度や安定性などに影響を与える諸因子について検討するとともに、大次元連立一次方程式の反復解法であるICCG法の高速化について検討した。その成果を要約すると、以下のようになる。 (1) 磁界が時間的に正弦波状に変化する場合に用いられる、時間微分項を複素数近似した、いわゆるjω法について、既に開発された二次元場の導体の運動を考慮した渦電流解析法を三次元場用に拡張した。そして、本手法を、導体速度が非常に速い場合の三次元解析に適用し、解の安定性などについて検討した。その結果、静止座標系を用いた解析では、解が激しく振動するが、運動座標系を用いた場合には、三次元解析においても解が安定に求まることが明らかになった。また、運動座標系を用いる場合には、過渡解析などで用いられる時間刻み幅Δtの概念を導入しなければならないが、このΔtの最適値を、印加磁界の周波数及び導体速度の観点から明らかにした。 (2) 導体の運動を考慮した解析の際問題となる、大次元連立一次方程式の反復解法であるICCG法を、辺要素有限要素法に適用した場合の収束性について検討した。その結果、辺要素有限要素法では、従来、未知変数として磁気ベクトルポテンシャルAのみを用い、電気スカラポテンシャルφを無視して解析が行われていたが、このφを導入することにより、ICCG法の収束性が大幅に改善されることが明らかになった。
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[Publications] 中田高義,高橋則雄,藤原耕二: "Linear Ac Steady-State Eddy Current Analysis of High Speed Conductor Using Moving Coordinate System" IEEE Trans.on Magnetics. vol.32,no.3. (1996)
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[Publications] 藤原耕二,中田高義: "Improvement of Covergence Characteristic of ICCG Method for A-φ Method Using Edge Element" IEEE Trans.on Magnetics. vol.32,no.3. (1996)