1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452206
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石山 敦士 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00130865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 理 早稲田大学, 理工学部, 助手 (10267411)
若尾 真治 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (70257210)
小貫 天 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80063428)
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Keywords | 超伝導 / 交流応用 / 撚線ケーブル導体 / 過渡安定性 / 常電導伝播特性 / 分布定数回路 / 電流再配分 / 素線間接触抵抗 |
Research Abstract |
1.交流用超伝導撚線導体の常伝導転移特性 素線絶縁の施されていない3本、7本および(6+1)本(7本中、中心線1本を銅または銅ニッケル線としたもの)撚線ケーブル導体の常伝導転移(クエンチ)特性を明確にするための実験と解析を行った。 (1)クエンチ実験:3本撚線ケーブル導体を試料として、交流電流通電状態で、素線1本を選択的にヒ-タにより強制的に常伝導転移させたときの、撚線ケーブル導体内の電流再配分現象と、導体全体が常伝導状態へ転移する最小のヒ-タ投入熱量を測定した。その結果、銅を母材とする超伝導素線を束ねた直流用導体とは異なる特有のクエンチ特性を有することが示された。 (2)クエンチ解析:昨年度開発したケーブル導体内の電流分布と温度分布を解析する計算機コードを用い、まず、3本撚線ケーブル導体について解析を行い、実験結果との比較により、その妥当性の確認を行うとともに、実験によって示された特有のクエンチ特性についてその発生機構について考察を行った。その上で、3本、7本および(6+1)本撚線ケーブル導体について解析・シミュレーションを行い、母材である銅ニッケルの電気抵抗率と熱伝導率のクエンチ特性に対する影響や、銅シース(素線表面に設けた銅の薄い層)の過渡安定性への寄与などを明確にした。次年度(最終年度)は、これらの結果をもとに安定度の高い素線および導体構成を明らかにすべく検討を行ったいくことになる。 2.撚線ケーブル導体における素線間接触電気抵抗の測定 撚線ケーブルタイプの導体の安定性を評価するためには、導体内の電流分布を支配する素線間の微小な接触電気抵抗を正確に知る必要がある。昨年度、超伝導トランスを利用した新しい高感度の測定法を開発・試作し、加速器用成形撚線導体をサンプルとして実測した結果、10^<-8>[Ω]という微小抵抗の測定が可能となった。本年度は、さらに同じ成形撚線導体について、キュア温度や接触圧力の素線間接触電気抵抗に対する影響を調べた。
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[Publications] A. Ishiyama: "Influence of Current Distribution on Quench Process in Non-insulated AC Multi-strand Superconducting Cables" IEEE Transactions on Applied Superconductivity. 5. 596-599 (1995)
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[Publications] A. Ishiyama: "An Optimal Design Method for High Field Superconducting Magnet" Physica B. 216. 212-214 (1996)
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[Publications] 石山敦士: "Bi系(2223相)銀シーステープ超電導導体の常電導伝播特性" 電気学会論文誌. 116A. 149-156 (1996)
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[Publications] A. Ishiyama: "An Optimal Design Method for Highly Homogeneous and High-field Superconducting Magnets" IEEE Transactions on Magnetics. 32(掲載決定). (1996)
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[Publications] A. Ishiyama: "Experiment and Analysis of Normal Zone Propagation in Ag Sheathed Bi-2223 Superconducting Tapes" IEEE Transactions on Magnetics. 32(掲載決定). (1996)
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[Publications] A. Ishiyama: "Stability of Non-insulated A. C. Multi-strand Superconducting Cables" IEEE Transactions on Magnetics. 32(掲載決定). (1996)
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[Publications] 石山敦士: "高磁界・高均一超電導マグネットの最適化設計" 電気学会論文誌. 116B(掲載決定). (1996)
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[Publications] T. Onuki: "Systematic evaluation for magnetic field and potential due to massive current coil" IEEE Transactions on Magnetics. 31. 1476-1479 (1995)
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[Publications] T. Onuki: "Eddy current computation in moving conductors by the hybrid FE-BE method" IEEE Transactions on Magnetics. 31. 1436-1439 (1995)
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[Publications] 小貫天: "分割磁極型永久磁石を有するリニア同期モータの二次構成に関する検討" 電気学会論文誌. 116D. 88-93 (1996)