1995 Fiscal Year Annual Research Report
界面制御された化合物半導体超微細構造の作製とその電子的特性の評価
Project/Area Number |
06452208
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
本久 順一 北海道大学, 量子界面エレクトロニクス研究センター, 助教授 (60212263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 俊也 北海道大学, 量子界面エレクトロニクス研究センター, 助教授 (70241396)
澤田 孝幸 北海道工業大学, 工学部, 教授 (40113568)
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Keywords | 半導体 / 微傾斜基板 / 結晶成長 / 多段原子ステップ / 表面超格子 / 電子波干渉 |
Research Abstract |
平成7年度は、GaAs(001)微傾斜表面上にMOVPE法による結晶成長する際に自発的に発生する多段原子ステップに着目し、それを利用した表面超格子型(LSSL)の電子波干渉素子の提案・解析及び素子の試作を行った。 まず、GaAs(001)微傾斜表面上にMOVPE法により結晶成長することにより形成される多段原子ステップを、n-AlGaAs/GaAs選択ドープ構造のヘテロ界面に形成することにより、2次元電子ガスに対して周期的なポテンシャル変調を導入し、その周期ポテンシャルによる電子の干渉効果により電流を変調する、LSSL型の電子波干渉素子を考案した。この素子の特徴は、多段原子ステップの周期が60nm程度と、2次元電子ガスのフェルミ波長と同程度であるため、フェルミ波長をゲート電界によって変調した場合、従来より作製されていたLSSL型干渉素子と比べ大きなコンダクタンスの変調が期待されることである。このことを簡単なモデル計算によって確認すると同時に、現実の系に存在する10%程度の多段原子ステップの周期性の乱れの影響について論理的検討を行い、そのような乱れが存在してもコヒーレントな干渉の効果がある程度存在する、従って、電子波干渉効果が実際の素子においても観測可能であることを示した。 次に、MOVPE法によりGaAs(001)微傾斜基板に選択ドープ構造形成後、トランジスタを作製することにより、電子波干渉素子を試作し、低温における電流-電圧特性を測定することにより素子特性を評価した。その結果、ゲート電圧-相互コンダクタンス特性に振動が観測され、そして、そのピーク位置が、フェルミ波長と多段原子ステップの周期から見積もった位相整合条件とほぼ一致することが確認された。以上より、試作された素子において、多段原子ステップによって形成された周期ポテンシャルによる電子波干渉効果が存在すること明らかとなった
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Research Products
(4 results)
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[Publications] J.Motohisa: "Fabrication of GaAs/AlGaAs Quantum Dots by Metalorganic Vapor Phase Epitaxy on Patterned GaAs Substrates" Jpn.J.Appl.Phys.34. 1098-1101 (1995)
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[Publications] K.Kumakura: "Novel Formation Method of Quantum Dot Structures by Self-Limited Selective Area Metalorganic Vapor Phase Epitaxy" Jpn.J.Appl.Phys.34. 4387-4389 (1995)
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[Publications] S.Hara: "Quantum Well Wire Fabrication Method Using Self-Organized Multiatomic Steps on Vicinal (001)GaAs Surfaces by Metalorganic Vapor Phase Epitaxy" Jpn.J.Appl.Phys.34. 4401-4404 (1995)
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[Publications] J.Motohisa: "Theoretical and Experimental Investigation of an Electron Interference Devicie using Multiatomic Steps on Vicinal GaAs Surfaces" Physica B. (to be published in 1996).