1994 Fiscal Year Annual Research Report
磁気センサを用いた三次元空間座標読み取りシステムに関する研究
Project/Area Number |
06452232
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
前田 宗雄 姫路工業大学, 工学部, 教授 (90106493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前中 一介 姫路工業大学, 工学部, 助教授 (70173721)
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Keywords | 座標検出 / 多次元センサ / 磁気センサ / ニューラルネットワーク |
Research Abstract |
今年度の実績は二次元空間座標検出法を確立したことである。二次元座標検出とはいえ、内容的には三次元空間座標検出に容易に拡張できるよう、磁界検出法、逆問題アルゴリズム等を検討・評価した。二次元空間座標検出システムは、原点に置いた永久磁石とこれから発する磁界を検出する二次元磁気センサ、磁気センサから得られる信号からその座標を算出するコンピュータからなる。二次元磁気センサは、市販されている化合物ホール素子を2個用い、3mm角の直方体内に直交して配置することによって作製した。2つの検出出力を座標演算に用いるため、原理的にセンサの動きの自由度は2を越えることができない。そこで1:平面内でセンサが平行移動する場合、2:関節を2つ備え、その間を固定長の腕で接続した系(ヒトの指の動き検出を想定)の先端にセンサを配置した場合の2種類の座標検出(後者は角度検出)を行った。その結果、永久磁石に0.2Tの強度を持つものを使用した場合、1では50×50mm^2の範囲において4.6%の平均誤差、2では腕の長さ約5cm、関節の曲がり0〜90度の範囲において平均誤差0.17度と、十分実用的な演算精度を得た。現在の問題点は、座標演算アルゴリズムとして用いているニューラルネットワークの学習の収束が比較的遅いこと、検出できる範囲は数cm以内と比較的狭い(センサのS/N比が低い)こと、が挙げられる。前者に対してはニューラルネットワークのアルゴリズムの改良、後者にはセンサの増幅器との集積化などの方法で対処できる。次年度では三次元化と共にこれらの問題を解決していく予定である。
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