1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452271
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 不折 名古屋大学, 工学部, 教授 (50023057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 宇一郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80126903)
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Keywords | 分散係数 / 分散度 / 比電気伝導度 / 破過曲線 / ガポン式 / 陽イオン交換 / 風化花崗岩 |
Research Abstract |
本研究は地下水汚染における土壌中の物質輸送に関して、とくに、現在不明な点が多い不飽和浸透流に伴う(1)物質の移流・分散特性、さらに、(2)土壌への吸着特性を明らかにすることを目的とする。 (1)の目的については、本研究では不飽和状態をコントロールできる浸透カラムに多孔媒体として、溶液の吸着のないガラスビーズを用い、不飽和浸透場での物質の移流特性、分子拡散係数、機構的分散係数の実験的推定を行った。 実験では溶液として水と食塩水を用いその比電気伝導度をトレーサとした。検出プローブは円筒内数点に平行に固定したステンレス棒を電極としたものを用い、水の電気分解をさけるため交流を与えて抵抗を測定した。最初、水を不飽和状態で散水し定常状態を作り、次に同一強度で溶液を塩水に切り替え円筒内での伝導度変化の破過曲線から平均空隙流速、分散係数、体積含水率を測定した。これらをいくつかの不飽和状態で測定した。結果は(1)分散係数は平均空隙流速に比例して増加するが飽和度が大きくなると逆に低下すること、(2)飽和状態での分散係数も平均空隙流速に比例して増加するが増加率(分散度)は不飽和に比べて小さいことが明らかになった。 (2)については、現地斜面の表層土の下に存在する吸着特性を持つマサ(花崗岩の風化した砂)をもちい、降雨時に表層土から溶出するCa^<2+>がマサの表面に吸着し、陽イオン交換によってNa^+がマサから溶出する過程を実験的に検討した。実験には試料円筒表面から不飽和状態で濃度の異なるCaCl_2およびNaClを散水し流出水を採取しイオン濃度をイオンクロマトグラフで計測した。その結果、陽イオン交換が行われていることを確認した。また、質量作用の式としてガポン式を用いイオン交換を数値計算で良好に再現出来ることを確認した。
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