1995 Fiscal Year Annual Research Report
個人のライフスタイルと価値意識の変化を考慮した都市交通のあり方に関する研究
Project/Area Number |
06452277
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河上 省吾 名古屋大学, 工学部, 教授 (60023058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 邦明 名古屋大学, 工学部, 助手 (30242837)
森川 高行 名古屋大学, 工学部, 助教授 (30166392)
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Keywords | 交通需要管理 / 価値意識 / モータリゼーション / 意識分析 |
Research Abstract |
昨年度から科学研究費補助金を得て,本研究ではまずロードプライシングや高密度車専用レーンなどの交通需要管理政策を実際に行っている諸外国の事例を海外の文献などから調査し,それらの成果と抱えている問題点などについて検討を行った.そこから,交通需要管理政策を導入するためには,住民の交通問題に対する意識が政策導入の際重要であるとの結論を得たため,国内への交通需要管理政策の適用可能性の検討には地域住民の意識調査が必要となるとおもわれる.そこで交通管理政策の導入に対する住民の意識やライフスタイルについて,名古屋市内において約1000世帯を対象とした調査を行い,サンプルの属性,社会問題に対する意識や交通管理手法に対する協力意識などについてデータを得た.その結果、これまで比較的公共交通機関が不便であった地域では車依存性の社会が形成されており,新規路線を見込んで転入してきた層と,路線発表前から居住していた層では,交通行動に違いが見られる.同様に公共交通機関の未発達な地方都市での行動データを入手し分析を行ったところ,車利用を前提に活動が規定されていると考えられるものが多数見受けられ,モータリゼーションの進展が活動やライフスタイルに影響を与えていることが把握できた.一方都心部において行ったインタビュー調査データの分析からは,これまで交通行動分析において仮定されていたような補償型の選好関係が成り立っておらず,属性による絞り込みなどにより選択が行われていることが判明した.これらはライフスタイルの変化によって引き起こされたと思われ,都市交通とライフスタイルの変化の関連が定性的に分析できた. 以上本研究では主にモータリゼーションとライフスタイルの変化の関係を分析することで、都市交通の今後のあり方の基礎となる分析および提言を行うことができた.
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[Publications] 為西和博,河上省吾: "既住者と転入者に関する交通行動分析" 土木学会第49回年次学術講演会講演概要集 第4部. 846-847 (1994)
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[Publications] 河上省吾,高木直茂: "就業者のツアー特性に関する研究" 土木学会第49回年次学術講演会講演概要集 第4部. 832-833 (1994)
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[Publications] 河上省吾,石 京,藤田 仁: "分担・配分統合モデルの改良と名古屋市鉄道計画の評価に関する研究" 土木計画学研究・論文集. No.12. 657-664 (1995)
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[Publications] 河上省吾,石 京: "公共交通システム解析のための分担・配分統合モデルとその実用性に関する研究" 土木学会論文集. 512. 35-45 (1995)
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[Publications] 河上省吾,石 京: "多手段統合交通均衡モデルを用いた公共交通機関の整備・運営方法の比較評価に関する研究" 土木計画学研究・講演集. No.17. 1007-1010 (1995)
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[Publications] 河上省吾,石 京,藤田 仁: "分担・配分統合モデルの改良と名古屋市鉄道計画の評価に関する研究" 土木計画学会研究・講演集. No.17. 1007-1010 (1995)