1995 Fiscal Year Annual Research Report
航空機の離着陸に対するサービス水準評価を組み込んだ実滑走路容量の算定法
Project/Area Number |
06452279
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
竹内 伝史 中部大学, 工学部, 教授 (70065283)
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Keywords | 空港計画 / 滑走路容量 / 航空機スケジューリング / 離着陸時刻分布 |
Research Abstract |
滑走路運用シミュレーション・モデルを用いた航空機離着陸処理回数と待ち時間の関係分析は、本科研費交付研究の初年度である平成6年度にほぼ完了した。しかし、この分析は時間単位での議論であり、これより空港の日容量を議論するためには、1日の離着陸時刻の分析を解析し、その分布パターンを推計することが必要である。そこで、本年度は、空港における航空機出発到着のスケジュールにおける法則性を分析することを中心に研究を進めた。 具体的には、次の3つのデータを用いて分析を行なった。 (1)わが国の国内空港における離着陸タイムスケジュールと各空港の立地条件や空港諸元との関係分析 (2)関西国際空港開港に伴う、大阪空港と関西空港の離着陸タイムスケジュールの変化に関する分析 (3)世界の主要32空港の離着陸タイムスケジュールのパターン分類についての分析 このうち(1)からは、国内主要空港の離着陸タイムスケジュールが、5つないし6つのパターンに分類できることが分かり、それぞれの類型は立地条件や空港特性ガ異なった特色を持っていることと共に、地理的分布に偏りがあることが判った。また、(2)からは滑走路の容量制約や時刻制限が離着陸時刻分布に与える影響が、顕著に読み取れたほか、就航航空会社の国籍も滞留時間を通して影響を与えることが判った。なお、(3)に関しては、全空港の旅客便離着陸時刻をデータベース化し、各空港の離着陸時刻分布の特性値を算出して、統計解析を始めたところであり、その分布パターンは、おおむね5類型程度に分類できるようである。この分布特性の解析と滑走路容量算出への組み込み方法については、目下、検討を続けている。 なお、上記(2)の研究成果は、土木学会中部支部研究発表会(平成8年3月7日,金沢大学)において「関西国際空港開港に伴う離着陸時刻分布の変化とその要因分析」と題して発表した(発表者:角谷)。
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