1994 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリート部材の曲げ降状後のせん断破壊防止方法の開発
Project/Area Number |
06452283
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野口 博 千葉大学, 工学部, 教授 (20107535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏崎 隆志 千葉大学, 工学部, 助手 (40251178)
井上 範夫 東北大学, 工学部, 助教授 (50250725)
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Keywords | 鉄筋コンクリート構造 / ヒンジ領域 / せん断抵抗機構 / 非線形FEM解析 / せん断設計法 |
Research Abstract |
(1)高強度材料(コンクリート圧縮強度σ_B=800kgf/cm^2、鉄筋降状強度_Sσ_γ=7200kgf/cm^2)と普通強度材料(σ_B=270kgf/cm^2、_Sσ_γ=4000kgf/cm^2)を用いたRC梁の曲げせん断実験をそれぞれ6、2体行った。主な実験パラメータはせん断補強筋量と梁主筋量である。 高強度材料を用いた、梁主筋量の最も多いATK-1試験体はせん断破壊が先行する破壊モードとなったが、その他の7体は、全て梁曲げ降状後にヒンジ領域でせん断破壊が生じた。 前述の8体の実験結果から、せん断強度と変形能力の関係を求め、学会指針A法の検証を行った。その結果、指針式A法は部材の変形能力を過小評価する傾向があり、指針式A法の適用対象である普通強度材料においてこの傾向が特に顕著であった。また、塑性理論に基づくマクロモデル解析で、特に重要となるコンクリート有効圧縮強度νを実験結果から算出した結果、限界塑性回転角の増加に伴い、νの低下がみられ、これは指針式と対応する傾向であった。 (2)せん断破壊先行型、あるいは曲げ降状後せん断破壊型の破壊モードとなったRC梁の実験試験体8体の非線形2次元FEM解析を行った。 解析モデルでは、普通強度材料から高強度材料まで適用可能な、ひび割れコンクリートの圧縮劣化特性を考慮している。このモデルでは、ひび割れコンクリートの劣化をせん断ひび割れに直交する引張りひずみの関数として表現している。 FEM解析結果は、普通、高強度材料ともに、破壊状況、荷重-変形関係は実験と良好な対応を示した。また、梁部材のじん性の傾向に関しても、実験結果を検証することができた。 梁曲げ降状後のせん断抵抗機構を解明するために、FEM解析結果を用いて、アーチ機構とトラス機構の分離を行った。FEM解析値によるトラス機構のせん断力負担割合は、指針式よりもかなり小さい結果となった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hiroshi Noguchi: "Shear Resisting Mechanisms of Reinforced Concrete Members Based on FEM Analysis" Proceedings of JCI International Workshop on Shear in Concrete Structures. 130-145 (1994)
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[Publications] 野口 博: "鉄筋コンクリート部材を対象とした確率有限要素解析" コンクリート工学年次論文報告集. 16-2. 75-80 (1994)
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[Publications] 野口 博: "ひび割れた超高強度コンクリートの圧縮特性の劣化に関する解析的研究" 日本建築学会学術講演梗概集. C 構造II. 737-738 (1994)
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[Publications] 野口 博: "RC梁の曲げ降状後のせん断劣化に関する実験的研究(その1、2)21GC04:日本建築学会学術講演梗概集" C 構造II. 835-838 (1994)
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[Publications] 井上 範夫: "立体鉄筋コンクリート耐震壁の非線形有限要素解析" 構造工学論文集. 41B. (1995)
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[Publications] 柏崎 隆志: "超高強度鉄筋コンクリート造内柱・梁接合部のせん断と付着に関する非線形有限要素解析" コンクリート工学年次論文報告集. 16-2. 741-744 (1994)