1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452288
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷池 義人 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00111980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 泰一 京都大学, 防災研究所, 助手 (10111981)
丸山 敬 京都大学, 防災研究所, 助手 (00190570)
岡南 博夫 大阪府立工業高等専門学校, 教授 (20111924)
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Keywords | 竜巻 / 渦 / 非定常力 / 構造物 / 被害 / 加速度 / ランキン |
Research Abstract |
竜巻に襲われた地域の被害を調べると、建物、鉄塔等の構造物の破損の度合が場所によって大きく異なり、またそれらの転倒方向にも規則性が乏しい。これは,竜巻の接近につれて、各々の地点における風速と風向は時々刻々変化し、これに伴って各地点の物体に作用する風力の大きさとその方向が時間的にも空間的にも大きく変化するためであると考えられる。本研究は、実際の竜巻の通過にともない、任意の地点に位置する構造物に作用する非定常力を推定し、台風や季節風時の定常流による風力と比較検討して、その違いを明らかにすることにある。 竜巻の発生装置を用いた実験や、現実の写真測量による解析結果によると、地表面の極近傍を除くと渦のコア内部と外部の接線速度はRankineの結合渦で近似できる。また、渦の中心に向う半径方向の速度成分は、地表面付近を除くと接線速度成分に比べて小さくなる。したがって、本研究では、まず、竜巻をRankine渦がある一定の速度で移動する現象と仮定し、竜巻の通過に伴い任意の地点に生じる水平方向の非定常流れを解析した。その結果、任意の地点の速度ベクトルと加速度ベクトルは、竜巻の通過に伴って、連続的に変化し、それらの大きさは竜巻のコア上で最大になる。加速度は、竜巻の移動速度に関係せず、渦の中心に向かう方向に作用する等の知見を得た。当初の予定では、平成6年度中に竜巻のモデル化とそのモデルによる非定常流れの解析、及びこの非定常流(加速度流)によって物体に生じる慣性力(圧力勾配による力と付加質量力の合力)を速度ポテンシャルを用いて計算する手筈であった。このうち、前者については当初の目的を達成し、上記に示した興味深い知見を得た。後者については、平成7年度の研究課題に組み入れ、さらに当初から計画していた実験及び解析を遂行して、本研究の目的である竜巻時に物体に作用する非定常風力を推定する予定である。
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[Publications] Yoshihito Taniike: "Unsteady Horizontal Wind Loadings in Tatsumaki" Jour.Wind Engineeing and Industrial Aerodynamics,. 51. 117-128 (1994)
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[Publications] 谷池義人: "風方向振動時の非定常空気力〜空力減衰と付加質量の評価〜" 第13回風工学シンポジウム. 323-328 (1994)
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[Publications] 西村宏昭: "境界層流中における高層建物の空力不安定振動〜正方形断面をもつ高層建物の場合〜" 日本建築学会構造系論文集. 456. 31-37 (1994)
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[Publications] 西村宏昭: "種々の長方形平面をもつ高層建物の空力不安定振動" 第13回風工学シンポジウム. 341-346 (1994)
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[Publications] 谷池義人: "風向方向振動時の空力減衰について" 京都大学防災研究所年報. 37 B-1. 47-55 (1994)
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[Publications] 谷池義人: "ジェットによるアクティブ空力制御に関する基礎的研究" 第13回風工学シンポジウム. 443-448 (1994)
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[Publications] 谷池義人: "建築技術 7月号 風と渦励振" 306 (1994)