1996 Fiscal Year Annual Research Report
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06452290
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Research Institution | NARA NATIONAL CULTURAL PROPERTIES RESEARCH INSTITUTE |
Principal Investigator |
内田 昭人 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター・研究指導部, 主任研究官 (90142017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 直人 建設省建築研究所, 第3研究部, 主任研究員 (70186047)
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Keywords | 常時微動 / 柱傾斜 / 固有振動数 / 振動モード / 減衰定数 |
Research Abstract |
平成8年度を最終年度とし、平成7年度に常時微動測定を行った法隆寺建物4棟(五重塔、金堂、中門、大講堂)についてFFT解析を行い、測定値と計算値との比較照合についてさらに詳細な検討を加え、以下のような知見を得た。 1.五重塔:10ヘルツ以下に3個の明瞭なピークが見いだされ、固有振動数は1次から順に、0.9Hz、2.5Hz、4.2Hzであった。振動モードは1次が対角方向の振動、2次は五重の柱脚レベルで位相が逆転する高さ方向の2次モードであった。また、最上層における軌跡は、対角方向に振動する場合と、円形に振動する場合とがあった。一方、5質点系の振動モデルを想定して、積算によって求めた質量を用い、各層のせん断剛性を算出した。その結果、上層に向かって減少するような剛性の値が得られた。 2.金堂と中門:それぞれの建築物で10ヘルツ以下に2個の明瞭なピークが見いだされた。1次、2次の固有振動数は金堂では1.80Hz、2.07Hz、中門では1.56Hz、1.80Hzであった。振動モードはいずれも1次が梁間方向並進、2次が桁行方向並進であった。減衰定数は1.7%から4.4%の間にあった。固有振動数から金堂初重の剛性を算出すると2.79×10^4〜3.69×10^4kg/cmとなり、柱傾斜復元力による剛性の占める割合は75〜81%に達すると考えられる。 3.大講堂:10Hz以下に4個のピークが見いだされた。1次〜4次の固有振動数は1.7Hz、2.1Hz、2.5Hz、4.1Hzであった。振動モードは1次が梁間方向並進、2次が桁行方向並進であった。3次は梁間方向のねじれモードであった。減衰定数は1.9%から2.5%の間にあった。固有振動数から大講堂の剛性を算出すると1.62×10^4〜2.50×10^4kg/cmとなり、柱傾斜復元力による剛性の占める割合は88〜95%に達すると考えられる。
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[Publications] 内田昭人,河合直人,前川秀幸: "伝統的木造建築物の振動特性その2.法隆寺五重塔の常時微動測定" 日本建築学会大会学術講演梗概集 C-1. 171-172 (1996)
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[Publications] 河合直人,内田昭人,前川秀幸: "伝統的木造建築物の振動特性その3.法隆寺金堂および中門の常時微動測定" 日本建築学会大会学術講演梗概集 C-1. 173-174 (1996)
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[Publications] 前川秀幸,内田昭人,河合直人: "伝統的木造建築物の振動特性その4.法隆寺大講堂の常時微動測定" 日本建築学会大会学術講演梗概集 C-1. 175-176 (1996)