1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452291
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鎌田 元康 東京大学, 工学部, 教授 (70011228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉渕 隆 東京理科大学, 工学部, 助教授 (70178094)
千田 善孝 東京大学, 工学部, 助手 (00107559)
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Keywords | 重力式排水システム / 排水管内流動 / 圧力変動 / 排水トラッフ / 水位変動 / ボイド率 |
Research Abstract |
本研究では,超高層排水システムの適切な設計手法の開発を最終目的とし,本年度は実際の超高層住宅の排水管内流動現象をモデル化するための基礎資料を得るため、実験タワーを用いた実大実験を行うとともに、1箇所負荷排水時の超高層排水システムにおける管内圧力分布予測法を提案した。 実験は、30mのタワーと100mのタワーで行い、高層と低層の場合での排水流れ性状の相違を調べるとともに、低層のタワーで高層タワーでの結果を再現する手法を検討した。排水が実際に流れている部分を一種の送風機とみなしたモデルを作成し、そのダクト抵抗損失の正味の圧力上昇に対する割合が,圧力バランスを決定するパラメーターとして用いられる。各種パラメーターを導出した結果、管内圧力分布を概ね良好に予測出来ることが分かった。また、低層タワーによる超高層タワー内の管内圧力の再現については、管内へ流入する空気量を制御することにより可能であることが判明したが、同時に限界が存在することが分かった。 ボイド率計による立て管内ボイド率の測定については、測定結果に多少のバラツキはあるものの負荷流量が増加するに従い、ボイド率は低下する傾向が見られる。また、どの負荷流量についても、管壁から5mm以内で急激にボイド率が低下していることから、管壁から5mm以内のみが水膜として流れていることになり、排水立て管内の流れを環状二相流として扱う従来の考え方には無理があることが判明した。ただし、同一負荷流量であっても、測定回数及び負荷階毎のボイド率の値のバラツキが大きい場合があり、この点についてはボイド率計の測定誤差を含め、今後検討する予定である。 管内圧力とトラップ水位の変動の周波数特性について検討したところ、両者の伝達関数は2〜4Hz付近に鋭いピークが存在することが確認できた。従って、水位変動に関与する圧力変動は周波数5Hz以下の範囲のみが重要であり、高周波の圧力変動の影響は小さいことが分かった。
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