1994 Fiscal Year Annual Research Report
壁体の損失係数測定法の開発とSEA法による遮音解析
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06452297
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
黒木 荘一郎 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (30094139)
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Keywords | SEA法 / 損失係数 / 圧電振動板 / 振動減衰時間 / Time Reverse法 / 結合損失係数 / 音響放射率 / 共振透過 |
Research Abstract |
小型軽量な圧電振動板を試料パネルに貼付して、定常加振によって振動減衰時間の計測システムを構築した。減衰時間が短いため周波数分析器の応答の影響を受けるのでTime Reverse法を導入し、測定精度の確認を行った。平均化時間を種々変化させた詳細な実験結果より誤差の発生を防ぐ損失係数の測定手法を開発した。しかし、導入前後の絶対値の差は小さく、我々の計測システムではTime Reverse法を適用しなくても必要な精度が得られることがわかった。次に、試料パネルを圧電振動板で定常加振したときの音響放射パワーを音響インテンシティ法で計測し、パネルからの放射分布を検討した。コインシデンス周波数以下の低周波数領域でパネル周辺部の放射パワーが大きいことが確認された。これは理論上の放射特性を検証する結果となった。 定常加振時のSEA法によるパワーバランス式より、上記で得られた測定結果を用いて結合損失係数および内部損失係数を分離算出することを可能にした。これらの結果を検討した結果、周辺支持部のエネルギー吸収が大きく定量化による周辺支持部の評価が可能であるという基礎的な知見を得た。また、SEAパラメータとして重要な共振透過の結合損失係数の理論的な検討として、種々提案されている音響放射の式を比較し、我々が従来使用しているMaidanik-Crocker式が現在のところ適切であることが確認された。さらに非共振透過の放射率としてRindelの式と我々が提案している式はほぼ等しい結果を与えることも確かめた。現在、周辺吸収のモデル化による数値解析の検討を行っている。
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[Publications] 黒木 荘一郎: "壁体の損失係数測定法に関する実験的研究-Time Reverse法導入による測定精度の検討" 日本建築学会学術講演梗概集. 1645-1646 (1994)
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[Publications] 黒木 荘一郎: "壁体の損失係数測定法に関する実験的研究-Time Reverse法による測定精度の検討" 日本音響学会講演論文集. 897-898 (1994)
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[Publications] 黒木 荘一郎: "単層壁の透過損失に与える損失係数および周辺エネルギー吸収率の影響" 日本音響学会講演論文集. 899-900 (1994)
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[Publications] 黒木 荘一郎: "SEA法による単層壁の透過損失について-共振透過および非共振透過の結合損失の検討" 日本建築学会九州支部研究報告. (印刷中). (1995)