1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452308
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
早稲田 嘉夫 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (00006058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 正敏 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (40241583)
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Keywords | アルミナ系超高温酸化物融液 / 局所構造解析 / X線異常散乱法 / 動径分布関数 / 水平型X線ゴニオメータ / 超高温試料加熱装置 |
Research Abstract |
いま我々が注目するペロブスカイトおよびガ-ネット型構造を持つアルミナ系酸化物結晶は、大口径の高品質素材が広く期待されている。欠陥の少ない大口径の結晶作製には、結晶の母体となる融液に存在する局所構造の乱れおよび結合性を把握し、かつ制御することが不可欠であるが、現在のところ基礎情報を極めて不足している。本研究は、平均原子配列を求める動径分布解析(RDF)法および局所構造単位および乱れの種類を決定できるX線異常散乱(AXS)法を駆使して、高融点アルミナ系酸化物融液の構造をその場観察することを目的とする。 平成6年度は、研究目的を迅速かつ確実に達成するために試料を2500℃に加熱し融体状態を安定に保持でき、水平型X線ゴニオメーターに装着可能な超高温試料加熱装置を設計・制作した。また、融体からの散乱X線強度を精密測定するために不可欠な半導体検出器を水平型ゴニオメーターに搭載し、半導体検出器専用計測システムを製作した。本超高温X線構造解析装置を用いてAl_2O_3融体のX線散乱強度を測定し、その構造解析を行なった。詳細は、Reverse Monte Carlo解析プログラムによって現在検討中であるが、現在のところアルミナ融液にはAlO_6八面体が基本的局所構造要素であることが判明している。当初の予想に比べ2500℃を目指した超高温試料加熱装置の開発に時間を要し、また試料セルと融液試料のぬれ性の問題も生じた。平成7年度は、ジルコニア酸化物を分散したPt-Rh板状ヒーターセルの開発を実施することによって上記実験的問題を解決し、遅れた予定を取り戻すよう、ペロブスカイトおよびガ-ネット組成のアルミナ系融液の構造解析を積極的に推進する予定である。
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