1995 Fiscal Year Annual Research Report
金属融体へのガス吹込みに伴う液自由表面の流動および波動特性
Project/Area Number |
06452337
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菊池 淳 東北大学, 工学部, 教授 (00005307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 尚司 東北大学, 工学部, 助教授 (00111253)
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Keywords | ガス吹込み撹拌 / 溶融金属 / 液面変動 / 乱流 / k-εモデル / 物質移動 / 介在物 |
Research Abstract |
溶融金属へのガス吹き込みは、金属精錬プロセスで一般的に行われている重要な操作であり、その精錬特性を明確にするためには溶融金属自由表面の波動および流動特性を把握する必要がある。この観点から平成6年度は水モデル実験による液面の変動および液流速の測定と数値シミュレーションモデルの開発を行った。平成7年度にはシミュレーションモデルの完成と、液自由表面からの低密度粒子の巻き込み挙動および気液間物質移動特性の解析を目的として以下のような研究を行った。 1.乱流シミュレーションモデルの開発:申請者らが提案した気泡分散モデルを、最も普及した乱流モデルであるk-εモデルと組み合わせたハイブリッドモデルを開発した。本モデルは乱流拡散による気泡分散と気泡と液の相対運動による乱流生成を考慮している。本モデルで計算した槽内エネルギー消散速度値が気泡の膨張による仕事と良く一致することが確認された。 2.低密度粒子の槽内分布の解析 (1)実験:中空ガラス粒子を通気撹拌槽内の水中に投入し、その分布状態を測定した。低ガス流量では自由表面に浮上していた粒子がある臨界ガス流量を越えると急に水中に巻き込まれ始める現象が見いだされた。その臨界ガス流量と粒子径の関係を経験式にまとめた。 (2)解析:上記のハイブリッドモデルで得られた流速分布を用いて、懸濁粒子の輸送方程式を数値的に解いて系内の粒子濃度分布を算出した。結果は実測の分布の傾向を表し得たが、定量的に一致させるためには液自由表面の粒子の巻き込み抵抗を考慮する必要があった。 気液間物質移動の解析:乱流渦による表面更新を考慮したEddy-Cell Modelを適用して、気泡分散領域および液自由表面の気液間容量係数を算出した。前者の領域の計算値は申請者らの過去の実測値と一致したが、後者の領域は表面の波動の影響を考慮する必要があった。
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