1994 Fiscal Year Annual Research Report
円形平面翼をもつ飛行体の空力・性能特性に関する研究
Project/Area Number |
06452344
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 裕文 名古屋大学, 工学部, 助教授 (00023317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 三千代 名古屋大学, 工学部, 教務員 (30109277)
新田 恭子 名古屋大学, 工学部, 助手 (30189328)
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Keywords | 円形翼 / フライイングディスク / 空力特性 / 運動解析 / 飛行制御 / 飛行安定性 |
Research Abstract |
(1)回転する円形平面翼の空力特性の風洞実験 風洞実験の供試模型は平板、凸型で前縁に丸みのある翼(フリスビ-型)、及び前縁が角ばった翼の3種類を使用し、風速、迎角、スピン回転数をパラメータとした6分力測定を行った。また平板翼については大型計算機を使った数値解析を行い、流線や圧力分布を求め、翼の回転が周りの流体に及ぼす影響を調査した。これらの実験データと解析結果と比較から、翼の空力特性を検討した。 フリスビ-型は下面が凹型であるため、その下面を塞いだ翼や平板翼と異なる空力特性を示した。すなわち、 ・揚力、抵抗ともに他の翼型より大きく、失速迎角が高く、迎角に対しほぼ一定の揚抗比を示す。 ・ピッチングモーメント係数については、他の翼型は中心点周りに正の頭上げモーメントであるのに比し、フリスビ-型は負の頭下げモーメントを示し、その値も小さい。 ・翼の回転が周りの流体に及ぼす影響については、左右の非対称性はごく僅かであり、空力的には無視できる。 これらのことから、フリスビ-が安定した姿勢で飛行する理由の一つはその翼型にあり、迎角や速度変動に対し不変の空力特性を有し、更に頭下げのモーメント特性のため回転数が低くても安定した飛行が可能であることが判る。 (2)円形平面翼の運動特性と安定性の検討 風洞実験で得られた空力データに基づき、飛行体の力学モデルを作製し飛行経路、安定性、突風応答などの運動特性を研究している。ジャイロ剛性を含めた安定性について解析を行い、特性を明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 太田裕文: "回転円盤の空力特性に関する研究" 第29回日本航空宇宙学会中部関西支部合同秋期大会講演集. 72-75 (1992)
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[Publications] 太田裕文: "剥離を伴う円形翼の空力特性" 第30回日本航空宇宙学会中部関西支部合同秋期大会講演集. 9-10 (1993)
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[Publications] 太田裕文: "回転円盤の運動解析" 第31回日本航空宇宙学会飛行機シンポジウム講演集. 294-297 (1993)
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[Publications] 太田裕文: "回転円盤の3分力風洞実験と数値計算" 第31回日本航空宇宙学会中部関西支部合同秋期大会講演集. 132-135 (1994)
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[Publications] 池田永: "飛行する回転円盤の運動解析" 同上. 136-139 (1994)
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[Publications] 佐々木俊夫: "回転円盤周りの流れの様子" 名古屋大学大型計算機センターニュース. 25. 254-259 (1994)