1995 Fiscal Year Annual Research Report
低レベル熱サイクルが積層板剥離損傷進展に及ぼす効果
Project/Area Number |
06452347
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高雄 善裕 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (30108766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 重久 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (60038544)
汪 文学 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (40240569)
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Keywords | Composite Laminates / Delamination / Thermal Effect |
Research Abstract |
複合材料の中でも、構造要素として多用されてきた積層板を取り上げ、その損傷モードの1つの剥離進展に及ぼす、熱サイクルの影響の解析を最終目標にしている。今年はその2年度にあたり、高強度高靱性エポキシ系複合積層板の150度摂氏の高温,および氷点下100度摂氏の低温での引張り強度試験を行い、その応力ひずみ関係を求め、CCDカメラによるその場観察を行った。また、積層板の剥離に関する計算も行った。主な結果は以下の通りである。 1。高温下では、90度層に負荷方向と垂直な亀裂が入る。それと同時に、90度層に接する45度層との界面に剥離が進展する。その度、徐々に90度層亀裂が現われ、層間剥離も成長する。45度層への亀裂伝播は少ない。 2。低温では、早い段階から90度層亀裂が見られるが、90度層亀裂はほとんどの場合、隣接する40度層に進展する。その発生密度は極めて大きい。しかし、ひずみゲージによる応力ひずみ関係に非線形性は認められず、亀裂の開口は小さく、負荷を徐荷すると、CCDカメラ像(ブラウン管画面上)で亀裂は認知できなくなる。層間剥離は少ない。 3。常温はこの中間である。 これから、高温では界面の損傷が発生しやすく、低温では界面が強く負荷方向に垂直な亀裂が多く発生するという損傷進展形式の違いが明らかになった。 非線形の有限要素計算コードを作成し、層界面の剥離の座屈に関する3次元解析を行い、これまでの2次元取扱いの限界ならびに有効範囲を明らかにした。
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