1994 Fiscal Year Annual Research Report
マルチサイト・ダメッジによる船側外板大規模破壊の解明
Project/Area Number |
06452348
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
角 洋一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (80107367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井山 向史 横浜国立大学, 工学部, 助手 (90013698)
川村 恭己 横浜国立大学, 工学部, 講師 (50262407)
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Keywords | 補強板 / 複数き裂 / 疲労き裂 / 不安定破壊 |
Research Abstract |
経年船の損傷形態は、肋骨の腐食衰耗や疲労き裂が外板まで進展して生じる外板の複数疲労き裂(マルチサイト・ダメッジ:MSD)の進展問題と、この状態で荒天に遭遇し過大な荷重を受け一瞬のうちにこれらのき裂が合体する大規模破壊問題に別けて考えることが出来る。本年度の研究では、薄板補強板構造における複数直列疲労き裂の伝播寿命の解析と実験を行うとともに、上述のMSDからの大規模破壊のモデル実験装置の製作を行い、次年度実施の面圧による不安定き裂破壊試験の準備をした。即ち、 (1)内面力のみを受けるMSDを有する薄板補強板構造の破壊力学解析を汎用構造解析コードを使用して行い、MSDによる疲労き裂伝藩寿命の低下の割合を明らかにするとともに、MSDからの疲労き裂伝播試験を行い上述の解析の妥当性を検証した。 (2)過大荷重によりMSDが外板中を合体しながら進展する場合の挙動および隔壁部近傍でのき裂のわん曲挙動を把握するために、独自の設計による構造モデル負荷装置を製作た。本研究には研究分担者として川村が構造解析の立案に、また井山が実験計画の立案・遂行に参加した。 面内力のみを受ける薄肉補強板構造におけるMSD形成のメカニズムと疲労き裂伝播速度ついては有限要素解析と疲労き裂伝播試験を行い、単一き裂の場合とMSDの場合のき裂伝播速度の相違、補強板構造における構造的応力集中の影響、溶接残留応力の分布形状がき裂伝播に及ぼす影響等を解明することができた。今後は面外圧力を受ける補強板のMSD解明に向けて実験および有限要素解析を進める必要がある。
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