1996 Fiscal Year Annual Research Report
高度な岩盤開発設計のための3次元境界要素法解析コードの開発と実際問題への適用
Project/Area Number |
06452359
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
水田 義明 山口大学, 工学部, 教授 (20107733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 毅 山口大学, 地域共同研究開発センター, 助教授 (10232307)
佐野 修 山口大学, 工学部, 教授 (20127765)
栗山 憲 山口大学, 工学部, 教授 (10116717)
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Keywords | 境界要素法 / 変位くい違い法 / 仮想応力法 / 有限要素法 / 流体の流れ / 熱伝導 / 亀裂 / 3次元 |
Research Abstract |
本研究の実施に先立って、栗山と水田は、変位くい違い法による3次元弾性解析コードを開発し、その適用性について検討した。この3D-DDM解析は他の方法では扱いにくい断層や亀裂のモデル化に有効であるという特徴があるが、岩盤自由面を扱うには不利であるという難点もある。 そこで、地表面や地下空洞のモデル化によく用いられる3次元仮想応力法解析コードを独特の方法により開発した。すなわち3D-FSM解析においても3D-DDMと同様に、境界面を3角形面要素に分割し、影響係数を求める積分は数値積分を用いないで解析的に行うので、その精度は高く計数速度も比較的はやい。またこれを3D-DDMおよび有限要素法による亀裂内流れの非定常解析との組み合わせ解析が行えるようにした。一方別途予算により、岐阜県神岡鉱業(株)茂住鉱の坑内において、アブレシブウォータージェット支援の水圧破砕によって人工亀裂を造成して亀裂内への注水実験を行い、水圧分布の経時変化と亀裂の開口に伴う坑道壁面変位の経時変化を計測した。そこで上記の組み合わせ解析コードを用いてこの注水実験のシミュレーションを行い計測結果とよく合うことを確かめた。つぎに、境界要素法を用いた3次元非定常熱伝導解析コードを開発した。この解析においては、解析的積分が不可能であり、かつ数値積分においても特異性がもたらされる場合があるので、本研究で開発された特殊な方法を加味した数値積分によって影響係数を求めている。この方法を用いれば、熱伝導解析の場合には、数値積分によっても精度は十分に高いことを厳密解と比較することで確認した。また、これをDDM-FSM-FEM組み合わせ解析に組み込み、熱移動による岩体の膨縮や岩体から流体への熱伝達を考慮できるようにした。
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[Publications] 茂住 洋史: "ジョイントを考慮した三次元境界要素法解析手法の開発と地下空間開削事例への適用" 資源と素材. 110巻12号. 953-958 (1994)
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[Publications] K.Kuriyama: "Three-dimensional Elastic Analysis by the Boundary Element Method with Analytical Integrations over Triangular Leaf Elements" Int.J.Rock Mech.Min.Sci.& Geomech.Abstr.Vol.32 No.1. 77-83 (1995)
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[Publications] 坂井 慎二: "採鉱法の変更による岩盤挙動の変化の予測と実際" 資源と素材. 112巻4号. 207-212 (1996)
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[Publications] 水田 義明: "弱面を含む長大残壁の安定性評価のための3次元境界要素解析" 資源と素材. 112巻10号. 695-699 (1996)
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[Publications] 水田 義明: "演習 岩盤開発設計" アイピーシー, 521 (1996)