1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452374
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 陽一 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (20143034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 太 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (00231895)
小澤 賢司 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (30204192)
池田 勝久 東北大学, 医学部, 講師 (70159614)
小林 俊光 東北大学, 医学部, 助教授 (80133958)
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Keywords | 補聴器 / ラウドネス / 両耳効果 / バイノ-ラル / 音像定位 / MLD |
Research Abstract |
本研究は,人間が2つのセンサ(耳)を用いて行っている高度な空間選択性を利用して,良好な聞こえを実現することができる補聴システムを開発することを目的としている.そのためには,リクルートメント特性を正確に補正することが必要である.また,そのような補正を行ったときに,どの程度の両耳相互作用が得られるかを明らかにする必要がある. そこで研究の第1年度である今年度は,まず,模擬難聴を用いて左右耳に異なる聴力レベルを設定し,様々な聴力レベル差の条件の下で,音像の頭内定位位置とマスキングレベル差(MLD)の測定を行い,両耳相互作用による雑音抑圧特性を求めた.つぎに,入力信号の周波数スペクトルに基づいて周波数標本化構造ディジタルフィルタの利得を制御し,左右耳のリクルートメント特性を正確に補償した条件の下で,前項と同様の方法で両耳相互作用による雑音抑圧特性を求めた.これらの実験の結果,ラウドネスレベルで数dB以内の誤差でリクルートメントの補正を行えば,健聴耳とほぼ同程度の雑音抑圧特性が得られることが示された.これは,両耳補聴器の有効性を示唆するものである. これらの実験結果を元に,リクルートメント補償型ディジタル補聴アルゴリズムを2チャネル化するためのアルゴリズムの検討を行った. 次年度は,このアルゴリズムをDSPボードを用いて実現し,模擬難聴耳と実際の難聴者について,いくつかの観点から補聴効果の測定を行う予定である.
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