1996 Fiscal Year Annual Research Report
外国人向け日本語教育のための漢字学習システムの研究
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06452385
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
矢野 米雄 徳島大学, 工学部, 教授 (40035663)
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Keywords | 日本語教育 / 電子辞書システム / 漢字学習CAIシステム / 統合型漢字学習環境 / 漢字熟語学習 / アトラクティブネス / JULASSIC / JULIET |
Research Abstract |
本研究は,外国人が日本語を修得する際、最も困難とされる漢字学習を支援する教育システム開発を目的とする.サブテーマとして(1)漢字学習のための電子辞書システムの開発,(2)漢字学習CAIシステムの開発,(3)前述のシステムを効率的に利用する統合型漢字学習環境の設計を行った.特に本年度は(2)のシステム開発を中心に行った. アトラクティブネスに着目した漢字熟語CAIシステム"JULASSIC"の開発 漢字学習は,語彙増加を目的とするドリル学習が一般的だが動機付けや学習意欲の点で問題がある.この問題に対し,ビデオゲームのアトラクティブネス(面白さや親しみ易さなどゲームの親和性)を導入したゲーム型CAIの枠組みを持つ漢字熟語CAIシステムJULASSICを開発した.JULASSICは漢字パズルのゲームインタフェースを持ち,システムがシミューレートする疑似対戦者と学習者が対戦できるゲーム環境を提供する.学習者は対戦ゲームを通してモチベーションの向上と学習意欲の維持だけでなく疑似対戦者のゲーム行動から漢字熟語の語彙を修得できる.研究成果は国際会議で発表した. 2.誤り分析可能な漢字熟語知識ベースを用いた漢字熟語CAIシステム"JULIET"の開発 従来の漢字熟語CAIシステムは,学習者の漢字熟語知識の誤り同定を行う場合、一般的に学習者の入力と漢字熟語データベース(知識ベース)の内容とのパターンマッチングしか行わないため,学習者の誤りに対する詳細な分析・支援ができない問題点を持つ.これに対してJULIETは,漢字熟語の構造に着目して任意の漢字熟語に対する誤りテーブルを動的に生成し,学習者の誤りをテーブルによって詳細に表現する.さらに,テーブル上での学習者の誤り状態の遷移により,学習者の学習状態を分析し,任意の学習状況に対し適したアドバイスを提示する環境を持つ.研究成果は国際会議で発表した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Toshihiro Hayashi,Yukuo Hayashida and Yoneo Yano: "Enbedding game's attactiveness into CALL system" ED-MEDIA/ED-TELECOM 96. 294-299 (1996)
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[Publications] Youji Ochi,Yoneo Yano and Toshihiro Hayashi: "JULIFT:Interactive learning environment for Kanji compounds learning" ED-MEDIA/ED-TELECOM 96. 539-544 (1996)
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[Publications] 矢野米雄: "知識科学の展開" オーム社, 183-187 (1996)